2003年1月24日(金)「しんぶん赤旗」
社会保障審議会(厚労相の諮問機関)は二十三日、四月に改定される介護報酬について、坂口力厚労相が諮問した見直し案の通り了承しました。特別養護老人ホームなど施設への報酬は全体で4%引き下げる一方、在宅介護の柱である訪問介護は平均2・3%引き上げました。介護報酬全体では、2・3%のマイナスです。
介護報酬は三年に一度見直されることになっており、二〇〇〇年四月に介護保険制度が始まって以来、初めての改定です。介護保険では、介護にかかる費用の一割が利用者負担となるため、介護サービスの「公定価格」である介護報酬が引き上げられると、利用者負担も増えることになります。
「在宅重視」の姿勢を示している厚労省は、訪問介護のうち、掃除や調理などをする「生活援助」の報酬を全体で26%引き上げました。介護サービスの利用計画(ケアプラン)を作るケアマネジャーは全体で17%の引き上げとなりました。
施設への報酬引き下げについては、関係者から「介護の質の低下をまねくことになりかねない」との懸念が出ています。
この日開かれた同審議会介護給付費分科会は、厚労省案の了承に際して意見書をまとめ、今回の報酬改定の影響を把握、検証し、今後の見直しに反映させる必要があると指摘しました。