2003年1月24日(金)「しんぶん赤旗」
「この程度の約束を守れなかったのは、たいしたことではない」。小泉純一郎首相は、二十三日の衆院予算委員会で、国債の発行を三十兆円以内に抑えるという小泉内閣の看板公約を守れなかったことについて開き直りました。菅直人民主党代表とのやりとり。
小泉首相は「約束はしたが、私の最大の約束は行財政改革だ」「もっと大きなことを考えなくてはいけない」とかわしているうちに、“三十兆円枠の公約はたいしたことではない”と口をすべらせました。
「三十兆円枠」は、予算の無駄遣いを削減するのではなく、それをテコに社会保障予算の削減に向かった経緯があります。不況の深刻化で税収が落ち込んだため、国債発行が減るどころか、穴埋めのために今年度の国債発行は約三十五兆円にのぼります。
追及をそらすため、民主党がかつて「三十兆円枠」の法制化を求めたことをあげ、「菅さんが幹事長のとき、法律で縛れといった。法律で縛ったらどうなっていたことか」「私は民主党以上に経済をよくみている」などと“反撃”を試みた小泉首相。勢い余って、「目いっぱい、財政政策をやっている。三十兆円以上も国債を発行している」と、ついに公約違反の国債増発を自慢するにいたりました。これには場内もあぜん、失笑がもれました。