2003年1月31日(金)「しんぶん赤旗」
|
米空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)の候補地として、政府が広島県沖の沖美町の大黒神島(おおくろかみしま)を候補地にあげていることに対し、周辺自治体の住民らから不安と怒りの声が上がっています。
沖美町で民宿を営む片谷健一郎さん(62)は「何かの間違いじゃないかとびっくりした。住民には全然説明がなかった。(島は)町の活性化のため、石を削った跡地に産業廃棄物など何かもってくるとうわさはあったが、米軍のそんなもんがくるとは…。島は近いですよ。風向きによっては石を割る発破の音が聞こえていました。夜なんかだったら人家に影響は出るし、カキ養殖の人らも、どうもこうもならん」と話しました。
広島県平和委員会代表理事の上田博則さんは「今後も米軍訓練を続けさせるための基地をつくるということであり絶対許せない。被爆地広島で、そんなことをやろうとすること自体とんでもないこと。対岸の米軍岩国基地の増強と一体になったものという点でも見過ごせないことだ」と怒りをあらわにしました。
厚木基地での米空母艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)の新たな移転先として、政府が瀬戸内海の大黒神島を候補にあげ調整している問題で、日本共産党の中林よし子衆院議員、林紀子、小泉親司両参院議員は三十日午後、川口順子外相に訓練中止と計画の撤回を要請しました。川口外相は、同日の参院予算委員会で石破茂防衛庁長官が「地元から(NLP誘致の)要請や決議はきていない」と答弁したことをあげ、「政府としてこの動きを注視していきたい」と答えました。