日本共産党

2003年2月2日(日)「しんぶん赤旗」

トヨタがライン止めた
残業申告の徹底を“号令”

長時間労働追及した山口質問の翌日


 長時間労働が国会で問題になり、労働基準監督署からサービス残業(ただ働き)の是正勧告をうけている自動車最大手のトヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)で、一月二十九日に生産ラインを止めて「不適切な勤務時間管理の撲滅」をはかる緊急集会を全社的に実施していたことが一日、明らかになりました。

 同社がラインを停止し緊急集会を開くのは「前代未聞の事態」(労働者)。「えらいことになった。会社は不祥事をやったみたいだ」とびっくりする職制もいました。

 集会で職場の責任者は、勤務時間で不適切な申告が発覚したとのべ、「不適切な勤務時間管理の撲滅を図ることになった」「働いた時間はすべて部下が責任をもって申告し、上司が承認するといったごく当たり前のことをこの機会に徹底していきたい」とのべました。交代勤務の労働者が出勤するたびにラインを十五分間止め、そのつど集会を開きました。

 豊田労基署は昨年末、豊田市にある元町工場の生産技術部門で立ち入り調査を実施。労働者はパソコンを使って出退勤を申告していますが、「退社の申告」をした後でも仕事をしていたことが見つかりました。同労基署は一月、勧告を出し、二月末までに是正するよう求めています。同社は、二〇〇〇年十二月にも名古屋北労基署から是正勧告を受け、不払い残業分を支払っています。

 同社が緊急集会を開く連絡文書を出したのは一月二十四日です。前日の二十三日に日本共産党の山口富男衆院議員がトヨタの長時間労働の実態を国会で質問し、大きな反響をまきおこしました。山口議員が指摘したトヨタの長時間労働は、過労死の危険ライン≠ニされる三千時間を超える年間三千六百五十時間働いた労働者もいて、異常な労働をさせていました。

 山口質問を見た人から「トヨタだけの問題ではない。日本の大企業に共通している」との感想を寄せています。

 日本共産党トヨタ自動車委員会は一日、職場新聞「ワイパー」で知らせ対話しました。労働者は「さすが共産党だ」「サービス残業をやめさせるためにガンガンやってくれ」と話しています。


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