2003年2月5日(水)「しんぶん赤旗」
公明党の冬柴鉄三幹事長は「日経」四日付インタビューで、有事法案の「与党単独採決」について、「当たり前の話だ。七十二時間(審議を)して対案は出ていない。それはもう採決するしかない」とのべ、与党単独採決は当然との考えを示しました。
有事三法案は、海外での武力行使に道を開き、米国の戦争に国民を強制動員する仕組みをつくるもの。日本の進路の根本にかかわる法案で「単独採決」を公言すること自体、「数のおごり」を示すものです。
しかも有事三法案は、法案の核心となる「武力攻撃事態」について与党自身が「分かりにくい」と「修正」せざるを得なかった欠陥法案です。冬柴氏は与党単独審議の暴挙を含めて「七十二時間の審議」などといいます。しかし、審議のなかで海外に展開した自衛隊部隊が攻撃を受けたら法制が発動するのか、「周辺事態」とどう重なるのかなどをめぐって、政府側の答弁が二転三転し、ボロボロぶりを露呈しました。
昨年の通常国会に提出された有事法案が未成立のまま、継続審議になっているのも、法案の危険性と欠陥ぶりを示すものです。「採決は当然」どころか、廃案が当然なのです。
冬柴氏はまた、イラク問題では「常任理事国で一、二カ国が反対する状態で(米国が)武力行使した場合、日本は容認するだろうが公明党は賛成できない」と見えをきりました。しかし、それなら「連立離脱を考えるべきでは」と問われ、「イラクは誰が考えてもおかしいのでは。あくまで安保理の形式的な容認決議がない限り全部違法、とはいかない」と容認の本音をのぞかせました。