日本共産党

2003年2月5日(水)「しんぶん赤旗」

公共工事をチェックする「第三者機関」とは?


 〈問い〉 最近、ゼネコンの談合を長野県の第三者機関が認定しましたが、この第三者機関とはどういうものですか。(茨城・一読者)

 〈答え〉 長野県・浅川ダムの入札談合疑惑を調査した県の第三者機関、県公共工事入札等適正化委員会は一月三十一日、談合があったと認定する調査報告書を田中康夫知事に提出しました。知事は公正取引委員会に報告するとしています。

 この第三者機関は長野県が昨年七月に自主的に設置したものですが、二〇〇〇年十一月に国会の全会一致で成立した「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」(公共工事入札・契約適正化法)の趣旨にのっとったものです。一九九〇年代のゼネコン汚職事件を受け公共事業の適正化をうたった同法の第一五条は、入札・契約過程や契約内容について「第三者の意見を適切に反映する方策に関すること」を、国が「指針」で定めるとしています。

 「指針」は〇一年三月に閣議決定され、各省庁や特殊法人・地方自治体のガイドラインとなっています。第三者機関については▽「中立・公正の立場で」審査できる学識経験者を構成員とする▽第三者機関はみずから抽出・指定した工事の、「参加資格の設定の経緯」などを審議し、不適切な点など「意見の具申」を行う▽行政機関は具申された意見を尊重し、「必要な措置を講ずるよう努める」―などが示されています。

 昨年から始まった、適正化法が義務づけている毎年の実施状況調査によると、第三者機関の設置は、都道府県では七割台、官庁や日本道路公団など特殊法人では六割程度、市町村は一割未満と遅れています。設置困難な市町村の支援が不可欠です。

 設置された第三者機関も、膨大な事業のごく一部しか審査できないなど体制上の問題もあって、これまでめだった役割を果たしてきませんでした。しかし行政自身が不正根絶の強い姿勢をもつときは第三者機関も本領発揮できることを、長野県の経験は示しています。

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 〔2003・2・5(水)〕


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