2003年2月11日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は九日放送のNHK「日曜討論」に出演し、来年度予算案や四兆円負担増問題、イラク情勢、有事法制などをめぐる通常国会での論戦について、与野党の国会対策責任者らと討論しました。
穀田氏は、今国会のこれまでの論戦について、小泉純一郎首相には自分の失政に対する責任が感じられず、「失業も倒産もひどい。株価も最悪。『構造改革』がすすめばこうなるということが現れている」と批判。「今後もこういう『不良債権処理』と負担増の政治をおしすすめれば、国民生活と日本経済に大きな打撃を与える。いっそうの破たんは明確だ」と指摘しました。
サラリーマンの医療費三割負担など、医療改悪の実施凍結をめぐって、自民党の中川秀直国対委員長が「一度決めたことを凍結するのは医療制度『改革』そのものを否定するもの。政管(健保)も三千八百億円の赤字だ。医療保険制度は破産しており、それをどうするという代案を示さないのは無責任だ」と野党を攻撃。公明党の東順治国対委員長も「(凍結は)考えられない。日本の医療保険制度が破たんにひんしている」とのべました。
穀田氏は、野党がすでに代案を出しているとのべたうえで、政管健保については、黒字のときに国庫負担を減らし、赤字になったら元に戻すと政府は約束しながら、「赤字になっても国の負担をもどしていない」と批判。国民への負担増が保険料収入の減少を生み、さらに負担増を招くという「悪循環」になることを指摘しました。民主党の野田佳彦国対委員長は、「三割負担を安直にこの時期に認めることは景気に影響する。野党四党で凍結法案を提案するので審議を」とのべました。
緊迫するイラク情勢をめぐって、穀田氏は「査察の継続強化による平和的解決か、戦争に訴えるかの選択肢が問われている。もし戦争になれば五百万都市のバグダッドが標的にされ、予測のつかない被害が起きる」と強調。「相手が気に入らないと思えば先制攻撃をやってもかまわないという事態が作られれば、戦後作られた世界の平和秩序、国際法を無視してやっていいということになってしまう」として、日本が平和のために貢献すべきだとのべました。
有事法制については、中川氏が「どうしても(野党の)賛同が得られないならば、与党だけでも結論を出さなければいけない」と与党単独での強行を主張しました。穀田氏は、米国がひきおこす干渉戦争に日本の国民を強制的に動員するという有事法制の本質を指摘。「そうした危険性が明らかになったからこそ、二つの国会で通すことができなかった。私たちは反対をつらぬいていきたい」とのべました。