日本共産党

2003年2月13日(木)「しんぶん赤旗」

米軍のNLPが日本で始まったのは?


 〈問い〉 米軍のNLP新基地計画が撤回されましたが、日本でのNLPはいつから始まったのですか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 今年一月、広島県沖美町の大黒神島に米軍の夜間離着陸訓練(NLP)基地を「誘致」する計画が突如公表されたものの、住民や周辺自治体などの反対によって二月に撤回される事件がありました。

 空母艦載機パイロットの練度維持を目的に、陸上滑走路の一部を空母の甲板と見立てて夜間に離着陸を繰り返すNLPは、激しい爆音などで住民の生活を破壊します。艦載機が配備されている神奈川県・厚木基地の周辺自治体はこの被害に苦しんでいますが、米軍は日本政府がつくった硫黄島のNLP基地が遠いとして厚木での訓練を続け、日本にはより「近い」訓練基地を要求しています。沖見町の事件はこうした中で起きました。このようなNLPは、神奈川県・横須賀基地が米空母の母港とされて始まったものです

 一九七〇年代初頭、在日米軍の再編強化を進めていたアメリカは、日本に空母の母港を設けることを計画し、日本政府と秘密交渉を始めました。この動きは七一年の新聞報道などで暴露されましたが、政府は「正式な要請はない」としつつ秘密裏に交渉を進め、田中角栄内閣の七二年十一月、横須賀基地を空母ミッドウェーの母港とすると発表しました。

 このとき政府は国民の怒りを恐れ、乗組員の家族を居住させるだけだとか、空母がいるのは「両三年以内」などと、ごまかしの説明を繰り返しましたが、七三年の横須賀入港以来、米空母の居すわりが三十年も続き、国民はNLPなど新たな基地被害に苦しみ続けています。

 日本は米本土以外に米空母母港を置く唯一の国です。しかし自民党政府はこの異常をただすどころか、米本土でもやらない居住地域でのNLPを中止させることもせず、アメリカいいなりに「利便性」のよい代替訓練地を物色する姿勢を続けています。

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 〔2003・2・13(木)〕


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