日本共産党

2003年2月14日(金)「しんぶん赤旗」

解雇を原則自由に

厚労省

労基法の大改悪案


金銭による雇用打ち切り見送る

 坂口力厚生労働相は十三日、今国会に提出する労働基準法「改正」法案要綱を労働政策審議会に示しました。焦点になっていた解雇規定について、原則自由化を打ち出す一方、十日の素案に盛り込まれていた“裁判で解雇が無効と確定した場合、労働者が望んでいなくても金銭による雇用契約の打ち切りができる”との内容は見送られました。

 金銭解決の問題は、「カネさえ払えば首が切れる」ことになると、労働界や法曹界などから厳しい批判が出ており、裁判制度上も矛盾が多いため削除せざるをえなかったとみられます。

 今回示された解雇規定は、使用者は「労働者を解雇することができる」と原則解雇自由をうちだし、例外として「客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は、権利の乱用で無効としています。

 「解雇には正当な事由が必要」(最高裁判所判例解説)という、解雇権乱用の判例法理の原則をくつがえし、労働者が救済される判例基準を切り下げることになります。

 法案要綱はほかに、有期雇用の契約期間を現行一年から三年(高度専門業務の一部を現行三年から五年)に延長するとし、不安定雇用をいっそう増大させる内容になっています。

 裁量労働制は、企画型裁量労働制の対象を本社など以外にも拡大。導入要件の緩和を打ち出しました。違法なサービス残業を合法化しようとするものです。

 同審議会は十八日に答申する予定。厚労省は三月上旬に法案を国会に提出したいとしています。


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