2003年2月14日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の筆坂秀世政策委員長、小池晃参院議員、三成一郎・党政策委員会社会保障対策部長は十三日、国会内で記者会見し、「介護保険実施三年の見直しにあたっての緊急要求」を発表しました。
介護保険は、導入から三年がたち、六十五歳以上の高齢者(一号被保険者)の保険料見直しということで、多くの自治体で四月から保険料の値上げが実施されようとしています。筆坂氏は、在宅サービスの低い利用率など現状の問題点にふれながら、「負担の重さと施設の不足が『在宅も施設もダメ』という事態をつくり出している。この解決が緊急に求められている」とのべ、「緊急要求」の内容を説明しました。
「緊急要求」は、保険料について「なによりも国が第一義的な責任を果たすべき」だとして、国庫負担を5%引き上げて30%にすれば、約二千四百億円の財源が確保され、値上げ(二千億円の負担増)は中止できるとしています。
自治体にたいしては、サービス利用が低いために自治体が使い残した積立金が二千億円を超えることを示し、値上げを抑えるための「積極的な活用」を求めています。
さらに「緊急要求」は、高齢者が安心して在宅で暮らせる条件の整備として(1)在宅サービス利用料の減免、(2)家族の急病など緊急事態にそなえたショートステイ(短期入所)のベッドの常時確保、などを求めています。
介護保険実施後、待機者が急増している特別養護老人ホームについては、国の整備基準(高齢者人口比1・5%)ではなく、地域の実情に即した整備を強調。最善のサービスを提供するためにも介護職員の労働条件改善は避けて通れないとのべ、計画的に介護報酬の適切な引き上げをはかることを提案しています。
〇国庫負担の30%への引き上げ
〇自治体による積立金取り崩しなど保険料値上げを抑える努力
〇厚労省のしめつけをはねのけ、保険料の実効ある免除・軽減制度の確立
〇在宅サービス利用料の免除・軽減制度の拡充
〇短期入所(ショートステイ)の緊急用ベッドの確保
〇利用限度額の見直し
〇特養ホームなどの計画的な増設、地域の生活を支える基盤整備
〇介護職員の労働条件の改善