2003年2月25日(火)「しんぶん赤旗」

百円玉両替で手数料200円

大銀行いっせい値上げ追及

政府の不良債権処理策が誘導

衆院予算委で佐々木議員

質問する佐々木憲昭議員＝２４日、衆院予算委員会

　百円玉を一円玉に両替すると二百円の手数料を取られる――。日本共産党の佐々木憲昭議員は二十四日の衆院予算委員会で、大銀行による預金者からの異常な手数料の取りたてを追及。背後に小泉内閣が不良債権の早期処理策として手数料値上げを誘導していたことを明らかにしました。

　佐々木氏が、たとえ百円玉であろうと両替機での両替数が五十枚を超えると手数料が二百円かかるという東京三菱銀行の“新商売”を紹介すると議場からは驚きの声があがり、小泉首相も「これはおかしいと思うのも無理ない」と答えました。

　佐々木氏は、この間の銀行による手数料のいっせい値上げにもふれ、「優越的地位の乱用だ」と批判しました。

　佐々木氏の調べでは、この十年間で預金者に対する利息支払いが激減、手数料収入の経常収益に占める割合は三倍以上に増加しています。

　あまりの手数料取りたてに、「値上げしませんという金融機関がでてもいいのに不思議」などと他人事のような答弁を繰り返す小泉首相。

　佐々木氏は、「政府が金融政策でそういう事態をつくっている」と不良債権早期処理策に言及し、公的資金投入行に政府が求める経営健全化計画のなかに、手数料収入を増やす項目が盛り込まれている事実をつきつけました。

公取委、早急な調査報告を約束　手数料引き上げで収益を確保しようという銀行の動きを促進する小泉内閣。佐々木氏は、「中小企業に対する貸し出し目標は達成できない。手数料だけは、どんどん上げてくださいと計画を出させ超過達成している。こんなデタラメな金融行政はない」と批判しました。

　公正取引委員会の竹島一彦委員長は、「都銀大手四行、全銀協から聞き取り調査をおこなっている。カルテル的な話し合いによって（手数料の値上げが）おこなわれているのなら（独禁法違反になるので）きちんと対応したい」と述べ、調査結果を早急にまとめることを約束しました。