日本共産党

2003年2月28日(金)「しんぶん赤旗」

ディーゼル車新車開発優先

買い替えなら廃業に

中小業者の声塩川議員が代弁

経産相「対策検討も」


写真

質問する塩川鉄也議員=27日、衆院予算委分科会

 「ディーゼル車の排ガス規制は社会的要請だが、新車への買い替え策だけでは廃業だ」。二十七日、衆院予算委員会分科会で日本共産党の塩川鉄也議員は、大気汚染公害の有害物資・窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)を規制する「NOx・PM法」の施行にともなって現在使用中の「使用過程車」の対策をなおざりにする政府、自動車メーカーの対応を厳しく批判しました。

 政府の対策は、新車の低公害車開発に重点を起き、「使用過程車」のNOxとPM両方を除去する後付け装置の開発・実用化は進んでいません。不況下、中小・零細のユーザーは、巨額の支出をともなう新車への買い替えか、それができなければ廃業かの苦境に追い込まれています。

 後付け装置の開発について平沼赳夫経済産業相は、「技術的な潜在力があるので不可能とは思っていない」として「他の省庁とも連携して検討したい」と答弁しました。

 塩川氏は、「使用過程車」対策をなおざりにした影響が、急増している新規参入の小規模事業者を直撃していると追及。「(トラック)中小規模の事業者を中心に今後四年間に7%の廃業」(三菱総合研究所)などの深刻な実態を示し、現状把握を強く求めました。

 塩川氏は、自治体の保有するディーゼル車にも影響が出ているとして、移動図書館用車両の買い替えを要求したら廃車をいわれた埼玉県富士見市の例などを紹介。移動図書館車や福祉バス貸出制度などの廃止が相次いでいることを指摘しました。

 塩川氏は「排ガス規制と住民福祉は本来矛盾しない。両立させるべきもの」と「使用過程車」への対策を強く求めました。平沼氏は「大きな問題だ。機動隊の車両の対策なども考えていかなければいけない」と答えました。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp