2003年3月1日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン27日浜谷浩司】「イラクとの戦争を強く追求していることで、米国は、もっとも強力な武器である国際的正当性を無駄にしてしまっている」−−。現職の米外交官がこんな書簡をパウエル国務長官に提出して辞職したことが、二十七日明らかになりました。
イラク侵攻に突っ走るブッシュ米政権に対する反対と抗議の新たな広がりを示すものです。
ニューヨーク・タイムズ紙同日付によると、この外交官は駐アテネ米大使館に勤務するブレイディ・キースリング参事官。同紙の電話インタビューに、書簡は二十四日パウエル長官あてにファクスで送付したと述べ、さらに、「(複数の同僚から)支持を表明され元気づけられた」と語りました。
書簡は「イラク戦争の必要性について、米国がなぜ世界を説得できていないのかを自らに問う必要がある」とも指摘しています。
国務省のバウチャー報道官も同日、キースリング氏から書簡が届き、パウエル長官も目を通したことを確認しました。同氏は約二十年にわたって中東諸国やアルメニア、ギリシャなどに赴任しています。