2003年3月2日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントンで遠藤誠二】米国で活動するロック、ポップ・ミュージシャンが二月二十七日、イラク戦争に反対する声明を発表しました。
反戦声明を出したのは米国の反戦キャンペーン連合体「ウィン・ウィズアウト・ウォー」(戦争なき勝利)に参加する音楽家たち。デビッド・バーン、ラッセル・シモンズ氏らが二十七日、ニューヨーク市内で記者会見し明らかにしました。
声明の内容は、十分な議論もないまま対イラク攻撃を急ぐブッシュ政権のやり方に懸念を表明したうえで、国連による査察の継続を主張。また、「この計画された侵攻は、アルカイダなどテロリストによる反米、反西欧の活動を許すことになる」とも指摘し、イラク攻撃はテロを助長させてしまうと警告しています。
声明に賛同したのは、バーン、シモンズ両氏のほか、REM、シェリル・クロウ、ソニックユース、ルー・リード、ナタリー・マーチャント、Jay―Z、ジョージ・クリントン、デーブ・マシューズ、ブライアン・イーノ、ナタリー・インブルグリア、坂本龍一、スザンヌ・ベガなど五十六氏・グループ。声明はベトナム反戦に影響を与えた黒人歌手マービン・ゲイの「戦争は答えではない」という言葉で締めくくられています。
二十七日の記者会見でシモンズ氏は「何十万人もの国民が死ぬことはあってはならない。われわれが立ち上がり、声をあげよう」と訴えました。
米国では、映画界同様、音楽分野でも戦争に反対する意見が広がっています。二十三日にニューヨークで行われたグラミー賞受賞式では、絶大な人気を誇る女性ロック歌手シェリル・クロウさんが「ノー・ウォー」(戦争反対)と書かれたギターストラップを使用して演奏。また、ロックバンド、リンプ・ビツキットのフレッド・ダースト氏が「この戦争が一刻も早く、どこかにいってしまうことでみんな同じ意見をもっていることを望む」と発言し、観客から拍手を受けました。
人気歌手マドンナさんは来月、新曲にあわせた衝撃的な「反戦ビデオ」を発表する予定で、ミュージシャンによる反戦キャンペーンは今後も続きます。