日本共産党

2003年3月2日(日)「しんぶん赤旗」

平和愛する大使館応援ツアー

イラク攻撃反対国を激励

ネット通じ自発的に集まる


 アメリカ政府によるイラク攻撃反対の声が国際的に高まる中、「平和を愛する大使館・応援ツアー」にとりくんでいるグループがいます。

 この「ツアー」は、インターネットで参加を呼びかけ、イラク攻撃阻止の一点で一致する自発的な個人が集まります。これまで平和活動を経験したことがない人も多く参加します。イラク攻撃反対を表明している国の在日大使館を訪問し、激励するとともに引き続き外交努力を要請するというユニークな内容です。

 二月二十一日の第二回ツアーは、ロシア大使館、マレーシア大使館を訪問。会社員、弁護士、団体職員、男の子の手を引く母親など十人が参加しました。

 お互い顔を知らないため「〇〇さんですか?」と確認しあうことからツアーがスタート。

 マレーシア大使館では臨時大使のイブラヒム・アブドゥラ公使が応対。三十分間、懇談しました。

 大使館の反応の良さにツアー一同興奮ぎみ。門を出てから「すごかったね」「感動しちゃった」と口々に感想が出されました。

寄せ書きで反対

 今年の元旦、「イラク攻撃ノー」の意思を示すためにアメリカ大使館前に集まった有志が「戦争に反対や懸念を表明している国々の大使館に応援ツアーをしよう」と思いたち、始めました。

 一月から毎週土曜日にアメリカ大使館前に模造紙を広げて、その場でイラク攻撃反対の寄せ書きをしてもらいアメリカ大使館の職員に手渡す行動も続けてきました。二月十五日の行動では八枚の模造紙が寄せ書きでうめつくされました。

 二月七日の第一回ツアーは十六人が参加。フランス、ドイツ両大使館で要請文と森住卓氏の写真集『湾岸戦争の子どもたち』の英語版を手渡し、参事官などと一時間ずつ面談しました。ギリシャ、メキシコ、南アフリカの大使館でも十五分間、面談しました。

運動は初めて

 ツアーに参加した池田佳代さん(35)は九九年、「周辺事態法」の審議に注目し、危機感を持ったといいます。「それまではふつうの会社員でした。でも、黙っていたら危ない方向に行っちゃうと思ったんです」。反戦運動も今回が初めてです。「マレーシア公使とお話しして、戦争反対の思いを共有する者として受け入れてもらえてうれしかった」と話します。「マレーシアでは私たちと同じ思いを政府が国際政治の場で発言していてすごい。また、マレーシア国内で百万人の市民からイラク攻撃反対の署名が集まっていると聞きました。公使が『戦争への道を歩んでいる国がある』といっていた国の中に日本も含まれ、国際社会からもそう見られているのはショックでした。『イラク攻撃に反対です』という意見をもっともっと表していかなければと思います」と語ります。

 ツアー一同代表で要請の通訳も務めた川崎哲(あきら)さん(34)は元NGO職員です。「九一年の湾岸戦争のときは『止められない』と悲壮感がただよっていました。今回の場合は、すでにイラク国内の飛行禁止区域への空爆がおこなわれているとはいえ、各国の政府レベルの力が大きい。戦争阻止を前向きに押し上げていこうという空気がある。市民が国際政治を動かせるという実感をみんなが持ってやっていると感じます。今後は各政党や国会議員への要請も考えたい」と語りました。

 第三回ツアーは、三月五日、六日にシリア、パキスタン、チリ、アンゴラ、ギニア、カメルーンの各大使館に要請する予定です。 (浜島のぞみ記者)


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