2003年3月2日(日)「しんぶん赤旗」
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イラク攻撃の回避を祈る宗教者のつどいが一日、東京・港区の梅上山光明寺で開かれました。仏教、キリスト教、イスラム教の宗教者百二十人が参加しました。
開会で鐘の鳴り響く中、黙とうしました。
日本山妙法寺の僧りょ・木津博充さんが「先日、一千万人が反戦の行動に参加しました。それは『広島・長崎をくり返させない』という思いだったのではないでしょうか。アメリカ政府は『核兵器の使用も辞さない』と言ってはばかりません。私たちは国連をも動かすパワーがあります。今、あらゆる垣根を取り払って行動する時です」とあいさつしました。
日本基督教団・牧師の山北宣久さんは「私たちが住む国が平和の担い手となるために、なさねばならないことが、今おこなわれているでしょうか」と問いかけました。そして、スライドでイラクの病院で治療を受ける子ども、母親に抱かれて笑っている子ども、教室で目を輝かせながら学んでいる光景を映し出しました。
イスラム教の祈りをささげた日本イスラム文化センターのアキール・シディキさん(58)は「私たちが静観していたら、イラクの次はサウジ、イラン、パキスタンへと続いていくのではないでしょうか。宗教者みんなで平和を祈り、平和を実現しましょう」と訴え。
このあと参加者は、反戦のメッセージを届けるためアメリカ大使館に出発しました。
天台寺門宗(総本山・園城寺三井寺=滋賀県大津市)は一日開かれた宗議会で、アメリカのイラクへの武力行使に断固反対し、日本政府にも戦争否定の強い態度を求める決議を全員一致で採択しました。決議はアメリカ大使館と日本政府に送付されます。
決議は、アメリカ政府に「自国はもとより世界中に満ちあふれる反戦の声に耳を傾け、速やかに攻撃のための武装を解除し、平和的に問題の解決をはかるべきです」と求め、また国連でアメリカの軍事行動を支持した日本政府の態度を厳しく批判し、「被爆国である日本が反戦の旗頭となるべき」だと求めています。