2003年3月3日(月)「しんぶん赤旗」
【ドーハ(カタール)1日岡崎衆史】イエメンの首都サヌアで一日、イラク攻撃に反対するデモが前日に続いて実施され、アラブ諸国のデモとしては最大規模の三十万人以上が参加しました。
サヌアからの報道によると、このデモは、エジプトのシャルムエルシェイクで同日開かれたアラブ連盟首脳会議がイラク攻撃反対の立場を表明するよう求めて行われたもの。与党の国民全体会議(GPC)や労働組合などが主催しました。
参加者は「石油のために血を流すな」「アラブの米軍基地に反対」などと書かれたプラカードを掲げて市内を行進しました。
デモでは、参加したアブドルカリム・アルアリャニ大統領補佐官が声明を読み上げ、「アラブ指導者は、戦争回避に向けた決定をしなければならない」と訴えました。
【ベルリンで片岡正明】ドイツの俳優、演劇人は、テレビ雑誌『ゴング』(二月二十八日号)上で、イラク問題の戦争による「解決」に抗議の声をあげています。
ニコレ・ビュチャーさんは「なぜ平和解決を求めないのかまったくわからない」と批判し、「暴力は暴力を生む」と戦争反対を訴えています。ミハエラ・メルテンさんは「わたしたちは平和と調和の中で生きていくことを学ばなければならない」と述べ、ディーター・ランドリスさんは「世界平和を戦争で求めようとするのはパラドックスだ。僕の二人の子どもにブッシュ(米大統領)がなぜ戦争しようとしているか説明できないよ」と語っています。
【ベルリンで片岡正明】ドイツのノルトラインウェストファーレン州のハーゲンで二月二十八日、高校生ら二千人が対イラク戦争反対の平和行動をおこないました。
高校生たちは「イラク戦争ノー」の横断幕を持ちながら市内を行進。デモの後、公園でおとな千人余りも加わり集会が開かれました。集会では音楽グループが反戦の願いを込めて演奏。同市の市長もあいさつしました。
【ベルリン1日片岡正明】フランスのストラスブールとドイツのケールの間の仏独国境で一日、イラク戦争に反対する集会、デモがあり、約四千人が参加しました。両国の労組や平和団体が呼びかけたもの。国境を流れるライン川の橋の上で行われた集会では、参加者から「仏独両政府は対イラク戦争回避のためにすべての手段を尽くせ」との訴えが行われました。
ドイツでは同日、ハンブルク、ロストク、ゲッティンゲンでそれぞれ数千人の反戦集会が開催されました。ハンブルクの集会では90年連合・緑の党の連邦議会議員団長ザーガー氏が「たとえ戦争回避の可能性が少なくなったとしても最後まで抗議行動を続ける」と表明しました。