2003年3月4日(火)「しんぶん赤旗」
教育基本法の見直しを審議する中央教育審議会の基本問題部会(鳥居泰彦部会長)に三日、最終答申素案が事務局(文部科学省)から提出されました。素案は二十一世紀を切り開く「たくましい日本人の育成を目指す観点」を明確にするため教育基本法を「改正」するとのべ、新たに法に規定する基本理念に「郷土や国を愛する心」など八項目をあげています。最終答申は今月下旬にも、正式に提出される予定です。
素案は、現行法前文の基本的な考え方は「引き続き規定する」といいながら、現行法では「不十分」だとして、前文と第一条(教育の目的)、二条(教育の方針)を書き換え、八項目を盛り込むとしています。
また教育行政について規定した第一〇条の「教育は不当な支配に屈してはならない」という原則は「引き続き規定するのが適当」としています。しかし、教育行政の役割は教育条件整備が目標と定めた同条二項は書き換える意向です。また、教育振興基本計画の根拠規定も一〇条に入れる考え。同計画は、条件整備だけでなく教育内容・活動に及んでおり、第一〇条の改悪で行政が教育内容に介入していく危険が強いものです。
素案は基本法「改正」の趣旨が教育制度全般に生かされるよう、とくに学校教育法、社会教育法にもとづく制度、学習指導要領も見直すとしており、この機に教育全般を改変することを明示しています。