2003年3月4日(火)「しんぶん赤旗」
自民、公明、保守新の与党三党は三日夜、衆院予算委員会で二〇〇三年度政府予算案(一般会計総額八十一兆七千八百九十億円)の採決を強行しました。しかし、大島理森農水相の疑惑にかんして衆院法制局幹部が事実経過をあいまいにする答弁をめぐって野党側が反発し審議が中断。与党は同日中の本会議で予算案の採決・衆院通過を狙いましたが、野党の厳しい抗議のなか断念し、本会議開催は四日午後になりました。
与党側は、本会議開会時間を早めるために、予算関連法案が提案された総務委員会の審議を途中で打ち切ることまで画策しました。これに対し四野党国対委員長は、「総務委員会の審議日程はすでに決まっていたものだ。それを一方的に打ちきるなどまったく前例のない暴挙で許されない」と綿貫民輔議長に道理ある運営を申し入れ、綿貫議長は四日の本会議採決を提案。与野党双方が受け入れました。
予算委員会の採決では野党四党が共同で、政府予算案を撤回し、新たな国民負担増の凍結や中小企業・雇用対策を中心とした組み替え動議を提出しましたが、与党の反対多数で否決されました。
採決に先立つ討論で日本共産党の矢島恒夫議員は、重大問題が山積するなかでの採決強行に強く抗議。政府予算案は、(1)ばく大な国民負担増で国民生活と日本経済に破壊的影響を及ぼす(2)大企業・資産家だけに恩恵が及ぶ二兆円減税(3)公共事業や軍事費など浪費の温存――となっていると述べ、予算案組み替えは不可欠だと強調しました。