2003年3月4日(火)「しんぶん赤旗」
天台宗(総本山・比叡山延暦寺)宗議会はこのほど、イラク問題の平和的解決を願う決議文を採択しました。
決議文は冒頭、「人類の歴史は、戦争の歴史でもあった」として、「今日、イラクに対する武力行使を目前にし、世界が再び醜い戦争と殺りくの時代へと進み、数多くの尊い命が奪われようとしている」と告発。「このことに対し、われわれ宗教者は深い憂慮と怒りを覚える」と述べています。
また、宗教者として、「われわれは、あらゆる生命を尊重する」と表明。「人類はもとより一木一草にも命があり、永遠の宇宙を内包している」と述べ、「どのような理由があるにせよ、その尊い生命を奪う行為を容認することはできない」としています。
最後に、「国家単位ではなく、地球規模で人類の未来を考えるべきだ」として、「われわれは、覇権主義も、また全ての大量破壊兵器の開発も否定するものである」「イラク危機は、国連による法的解決によるべきであり、関係国に対して、今こそ、自利の執着を放棄すること、そして対話による平和的解決を強く求める」と訴えています。天台宗総本山の比叡山延暦寺は平安期に最澄が開山。その後法然、日蓮、親鸞らもここで修行しました。