2003年3月5日(水)「しんぶん赤旗」
東京地検特捜部は四日、約一億二千万円の政治資金を収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で、自民党の坂井隆憲衆院厚生労働委員長(佐賀一区)の政策秘書塩野谷晶(38)と元公設第二秘書中山求(51)の二容疑者を逮捕、衆院議員会館内の同議員事務所や東京都港区の議員宿舎などを家宅捜索しました。
調べによると、塩野谷容疑者らは、坂井議員の資金管理団体「隆盛会」が人材派遣会社「日本マンパワー」(東京都中野区)など数社から〇一年までの五年間に受領した資金のうち、約一億二千万円を収支報告書に記載せず、裏金処理した疑い。
このうち七千八百万円は現金で受領し、都内の事務所経費として約三千八百万円、秘書給与の肩代わりとして数百万円を受け取っていました。裏金の多くは、坂井議員の政治活動費にあてられます。
塩野谷容疑者は隆盛会の会計責任者の職務代行者を務めており、坂井事務所の「金庫番」として資金を管理。中山容疑者は一九九七年に公設秘書から私設秘書に転じ、地元の資金管理を担当していました。
坂井議員は旧大蔵省出身で、労働政務次官、内閣府副大臣などをつとめ、昨年十月から衆院厚生労働委員長。三日午後、委員長辞任の意思を表明しました。同議員は〇一年、巨額詐欺事件の舞台となった大和都市管財グループから議員事務所職員の給与を受けたことが判明しています。