日本共産党

2003年3月5日(水)「しんぶん赤旗」

“不況加速”予算

4兆円の国民負担増

減税は大企業向け


 二〇〇三年度予算案が四日、衆院を通過しました。深刻な不況のなか、国民は景気回復を強く望んでいます。しかし、予算案は医療費の三割負担の実施、配偶者特別控除廃止、消費税の免税点引き下げなど四兆円もの負担増を盛り込み、冷え込んだ家計をさらに押しつぶす“不況加速”予算です。

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 そのことは日本共産党の追及で次々明らかになっています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、今回の負担増計画が九兆円の負担増を強行した一九九七年と比べ、十倍もの家計所得の減少をもたらすことを提示。「九兆円負担増の大失政をさらにひどい形で繰り返す」(二月七日、衆院予算委)と批判すると、小泉首相はまともに答弁できず、「先行減税を含めて企業活動を活発にすることで経済全体にいい影響を与える」と繰り返しました。

 しかし、小泉首相のいう「先行減税」も国民の暮らしにはほとんど効果がないことも明らかになっています。

 日本共産党の吉井英勝衆院議員は質問で「先行減税」の中身が研究開発、IT投資、相続税・贈与減税などで大企業や資産家に今後七年間で約八兆円もの減税の恩恵をもたらすことを指摘。減税の財源は不況に苦しむ庶民や中小企業への増税でまかなわれることを明らかにしました。「減税」といっても日本経済を支える中小企業や家計消費を圧迫する内容となっていては、景気対策にならないことは明らかです。

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 国民負担増が日本経済に与える破局的な影響をまともに議論せず、予算通過をごり押しする政府・与党の暴挙は許されません。

 日本共産党は、予算案の組み替え要求の中で四兆円の国民負担増を中止し、国民の暮らし中心の予算に転換することが不況打開、日本経済立て直しの道につながることを示しています。公共事業・軍事費などの浪費を削減し、大企業・資産家減税を中止すれば、社会保障負担増、庶民増税を中止したうえ、雇用・中小企業対策なども拡充できます。

 また、日本共産党など野党四党が医療費三割負担凍結のための法案を共同提出したことは、医療団体などの運動にはずみをつけ、大きな世論に広がっています。

 参院の予算論戦を通じ、景気回復のために、国民の暮らしに軸足をおいた予算に抜本的に組み替えていくことが求められます。(佐藤高志記者)


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