2003年3月6日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン4日浜谷浩司】国連のアナン事務総長は四日、イラクは「もっとすべきことがある」としながらも、イラクがアルサムード2ミサイルの廃棄に踏み切るとともに、VXガスや炭疽(たんそ)菌の処分に関する追加文書を提出する意思を表明していることを「積極的な動きだ」と評価しました。
さらに、査察団が七日に行う報告にはこれらの点が反映されるとの見通しを示し、二月末に示された報告にくらべて、イラク側の対応をより評価したものになる可能性を示唆しました。
同事務総長はまた、武力行使に走る米、英などと査察強化を求めるフランス、ロシア、ドイツなどが厳しく対立していることについて、「安保理は団結してこそ実効性をもつ」と強調。とりわけ、「安保理の権限の外で行われれば、(武力行使への)支持を失う」と述べ、米、英をけん制しました。安保理が武力行使を決議しないなら、国際連盟の二の舞いになるとするブッシュ米政権の国連非難についても、「歴史的比較はそんなに単純なものではない」と批判しました。
一方、三月の安保理議長を務めるギニアのトラオレ大使は、同日開かれた安保理非公式協議の後、査察団が新たな報告を行う七日の安保理を公式協議とし、少なくともフランス、ドイツ、シリアは外相が出席することを確認しました。