2003年3月8日(土)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の小池晃参院議員は七日、参院予算委員会で、小泉内閣が「先行減税」として、製薬企業の新薬開発に五百億円を超える大減税の恩恵を与えることを明らかにしました。小池氏は「製薬企業には思いやり、国民には三割負担。これでは国民は納得しない」とのべ、三割負担の中止を求めました。
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小池氏は、来年度実施の研究開発減税を企業別に試算。トップメーカーの武田薬品は減税額が百二十億円にもなりました。三共で六十億円、山之内製薬で三十九億円など、製薬企業二十社だけで総額五百三十億円もの減税となります(別表)。小池氏は、三割負担による負担増の実例も紹介。インフルエンザで二日通院の場合千二百三十円、直腸腫瘍(しゅよう)で八日入院の場合二万三千七百十円、窓口での負担が増えます。
糖尿病の場合、初期の食事療法だけなら年間十九万三千円、経口薬治療で二十八万一千円、インスリン治療で四十六万円と、病気の悪化につれ医療費がかさむことも例示しました。
「窓口負担を増やして受診抑制をおこせば病気が重くなり、保険財政の悪化にもつながる」という小池氏に対し、坂口力厚労相は「一日か二日病院にかかる人の負担は増えるかもしれないが、ご辛抱いただきたい」。一方、製薬企業の減税については「日本の医薬品業界は諸外国に後れをとっている。世界に誇る薬を生み出すため」と思いやり答弁。厚生行政を担当しながら、国民の健康より新薬開発の国際競争に力を入れる異常な姿勢が浮かび上がりました。製薬企業20社に500億円超の減税の恩恵