2003年3月8日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党の児玉健次議員が七日の衆院議院運営委員会でおこなった坂井隆憲議員の逮捕許諾請求に対する意見表明は次の通りです。
私は、日本共産党を代表して、本件逮捕許諾について、本院は速やかに逮捕許諾をすべきものであるとの態度を表明します。
議員の不逮捕特権は、国権の最高機関の構成員である議員が、全国民の代表として、自由、独立に活動し、その職責を果たすことができるように保障するためのものであります。政府行政、司法などの権力が、政治的意図を持って議員の活動を妨害するということは断じて許されないというのが憲法五〇条の趣旨であります。政府が政治的意図を持っての議員逮捕を要求しているものであれば、衆議院は、そのような要求に対しては断固として許諾を拒否しなければなりません。
本件についてみますと、逮捕許諾を求める要求書によれば、被疑者坂井隆憲議員は、一九九七年から二〇〇一年にかけて、自らの資金管理団体の収支報告書に関して、五期合計一億二千四十三万六千六十七円にものぼる過少の記入をし、これを東京都選挙管理委員会を経由して総務大臣に提出し、これが、収支報告書に虚偽の記入をすることを禁じた政治資金規正法違反にあたるというものです。
その容疑の内容、容疑事実を認めるための相当の理由、逮捕の必要性については、昨日の秘密会において、法務大臣、法務省刑事局長から詳細な説明がありました。
本件逮捕の理由、動機が、政府権力が政治的意図によって坂井議員の議員活動を妨害するためにその身体の自由を拘束しようとしているものでないことは、本件の経過に照らして明白です。
もし、こうした状態で逮捕許諾をしないとすれば、まさに不逮捕特権の乱用となり、国会の行為によって司法、裁判に重大な悪影響を及ぼすことにもなりかねず、到底許されないものと判断します。
坂井議員にかかわる疑惑など、「政治とカネ」にかかわる腐敗事件が続発することに、国民は政治不信をつよめています。こうした疑惑に対し、国会はその全容を解明し、坂井議員の政治的道義的責任を明らかにする責任があります。捜査当局は徹底的に捜査し、旧労働省政務次官等の職務を歴任した坂井議員と、相次ぐ規制緩和のもとで事業を急速に拡大した人材派遣会社の関係をふくめて、その刑事責任を全面的に追及することが求められています。
以上の理由により、速やかに本件逮捕を許諾すべきであることを申し述べ、意見表明といたします。