2003年3月8日(土)「しんぶん赤旗」
【パリ5日浅田信幸】アテネからの報道によると、ギリシャ国会の全議員(三百人)の四割、百十二人の議員が五日、対イラク戦争に反対するアピールを発表しました。署名した議員は国会に議席をもつ全政党にわたっています。
アピール文は、「戦争を回避しなければならない」と訴え、現在、欧州連合(EU)議長国であるギリシャ政府に対し「平和が勝利するよう、できる限りの努力を払う」ことを要求しました。
また「何千バレルの石油も、子どもの一滴の血に取って代わることはできない」と強調し、戦争が引き起こされた場合には「直接、間接を問わず。いかなる形でも参戦すべきでない」と主張しました。
【メキシコ市5日菅原啓】中南米を代表する国公立大学の学長らが対イラク戦争に反対する共同声明を発表しました。メキシコ市で開催された「第二回中南米・カリブ海大規模公立大学学長会議」で採択されたもので、五日付のメキシコ主要紙に全文が掲載されました。
声明は、イラク戦争が開始されれば、覇権主義への唯一の対抗策である多国間主義を実現する「歴史的なチャンスが失われる」と指摘。国際世論を無視する単独行動主義によって開始されようとしている今回の戦争は、「人類が幾多の犠牲のうえに築いてきた文明の発展を危うくする新たな野蛮な時代の始まり」であると警鐘を鳴らしました。また、国連中心の解決を強調し、「われわれは戦争を断固非難するとともに、力を合わせて、諸国民が平和に生きる権利を擁護し、知識、科学、技術を人類の利益のために活用することを呼びかける」と結びました。
学長会議には十四カ国、一地域(プエルトリコ)の二十一大学の学長、事務総長らが参加しました。