2003年3月9日(日)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫幹部会委員長は八日、次の談話を発表しました。
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一、三月七日の国連イラク査察団報告は、この三カ月間の大量破壊兵器査察に実質的な進展と成果があり、イラクの協力が「積極的」で「自発的」になってきたことを歓迎した。そして「数カ月の査察継続」が必要だとし、国連安保理決議一二八四(一九九九年)にもとづき二十九項目の「武装解除のための未解決の問題点」を明らかにし、今後の課題と作業計画を三月末に報告するとしている。これは、平和的解決のための査察の有効性、査察の継続・強化の必要性を裏づけるものである。イラクが、国際社会の一致した声を真摯(しんし)に受けとめ、査察に即時、無条件かつ全面的に協力することを改めて強く求める。
一、これにたいして、米、英、スペインの三カ国は、三月十七日を期限として、それまでにイラクが軍備解体義務を果たしたことを証明しなければならない、とする修正決議案を提出した。イラクの積極的協力があったとしても「数カ月の査察継続」が必要と国連査察団がいっているものを、わずか十日間でおこなえというのは、実施不可能な要求を突きつけることで軌道に乗り始めた査察を無理やり中断させ、武力行使に道を開くものであり、断じて認めるわけにいかない。この日の安保理協議で、過半数の国々が査察継続を求め、フランス、ロシア、中国、ドイツなどが、こうした決議案に反対したのは当然である。
一方、ブッシュ米大統領は、査察団報告前夜の記者会見で、「査察の継続・強化は不要」とのべ、新たな国連決議の承認が得られなくとも、イラク攻撃を開始し、フセイン政権打倒をめざすとのべた。これは、報告を真摯に検討することもなく、なりふりかまわず戦争への道を突き進もうというものであり、国連と平和を求める諸国民への最悪の挑戦である。
一、ひたすらアメリカに追随して、早速、修正決議案への支持を決め、さらに多数派工作をおこなおうとしている小泉内閣の対応は許しがたい。川口外相は談話で、この修正決議案が武力行使につながるものであることには一言も触れないまま、「国際社会」の「最後の努力」として支持を表明したが、これは内外の世論をあざむくものにほかならない。
戦争に反対し、国連のルールにのっとった平和的解決をめざして、査察を文字通り本格的な軌道に乗せるために努力を尽くすことこそ、憲法九条を持つ国の責務であることを強調するものである。