2003年3月11日(火)「しんぶん赤旗」
【ロンドン10日西尾正哉】米国とともにイラクへの武力攻撃の道を歩む英ブレア政権の閣内から戦争反対の声がわき起こっています。
ショート国際開発相は九日、ブレア首相を「無謀」だと批判、安保理新決議なしの軍事攻撃について、「私は、こうした国際法違反や国連無視を是認することはできない。そうなったら私は政府から辞任することになろう」とのべました。このほか数人の閣僚が抗議の辞任の意向を固めていると報じられています。
閣僚の補佐役として議員の中から任命される「大臣私設秘書議員」も相次いで辞任を表明しています。ベケット環境相の私設秘書議員のアンディ・リード下院議員はすでに辞表を提出。ヒューイット貿易産業相の私設秘書、アン・キャンベル議員も辞意を表明しているといいます。国連決議なしで軍事攻撃を開始すれば大臣私設秘書を辞任すると表明している労働党議員は、サンデー・タイムズ紙によると十人にのぼり、「全省庁で半数近くが辞任することになる」といいます。
国連決議なしの軍事行動に出た場合、反対する議員は二百人以上に上るとサンデー・タイムズ紙は指摘します。インディペンデント・オン・サンデー九日付は一面を全部使って戦争反対を打ち出しました。
日本共産党中央委員会は十日、志位和夫委員長が八日に発表した談話「戦争ではなくいまこそ国連安保理決議にもとづく査察を本格的軌道に」の英語訳を、国連安保理事会の常任・非常任理事国のほか、アジア各国、中東などのイスラム諸国を含む計五十六カ国の在日公館や国連代表部などにファクスや電子メールで送付しました。