2003年3月11日(火)「しんぶん赤旗」
【ワシントン9日浜谷浩司】昨年のノーベル平和賞を受賞したジミー・カーター元米大統領は九日付ニューヨーク・タイムズ紙へ寄稿し、ブッシュ政権によるイラク侵攻の計画は「二百年以上にわたり米国の偉大さをもたらしてきた超党派による継続的な公約」を破棄するものだと批判、戦争は「最後の選択肢」にとどめるべきだと主張しました。
同元大統領は、米国の「継続的な公約」として「宗教の基本原則、国際法の尊重、賢明な決定や相互抑止につながる同盟に基づいていた」と指摘。「国際社会の支持を得ずにイラクを攻撃すれば、この前提を破ることになる」と強調しました。
キリスト教徒としての信条から「正義の戦争」の基準を(1)非暴力の選択肢が尽きた段階での最後の手段(2)戦闘員と非戦闘員とを区別できる兵器を使用する(3)米側が受けた被害に見合う攻撃にとどめる(4)社会的に正統な権限を得なければならない(5)戦後の平和が戦前に比べてはっきりと改善される−−と設定。イラク侵攻はこれらにことごとく反するとしました。
同氏はまた、イラクによる直接的脅威を受けておらず、世界の大多数の人々と政府が「圧倒的な反対」を表明しているにもかかわらず、米国は「文明諸国の歴史にかつてないほど」の軍事・外交活動を進めようとしていると指摘しています。