2003年3月11日(火)「しんぶん赤旗」
米紙ニューヨーク・タイムズ九日付は社説で、ブッシュ米政権が固執している対イラク戦争について、広範な国際的支持がないままにイラクを侵攻することには「反対である」と表明、戦争によらないイラク危機の解決を求めました。
社説は、反対理由の一つとして、七日に発表された国連査察団の報告が査察の進展を強調し、米国の立場におおむね批判的だったことを指摘。査察強化でイラクの武器計画を抑えられるのに、ブッシュ米大統領はイラクの政権交代を要求することで戦争か米国の退却かを「唯一の選択肢」とする窮地に自らを追いやっていると述べました。
また米政権が主張する一昨年の米同時多発テロとイラクとの関連性も「その証拠はまったくない」と指摘。「どの国も予感や断片的な情報にもとづいて軍事侵攻を行うことは許されない」と訴えました。
社説は「すべての国が従うべき一定のルール」の最も重要な一つが「いかなる理由にせよ、他国を侵攻してはならない」ことだと強調、「もっと極端でない手段を探すべきだ」と米政権をたしなめました。