2003年3月12日(水)「しんぶん赤旗」
東京都内では、全国いっせいの日本共産党街頭演説に志位和夫委員長をはじめ、市田忠義書記局長、筆坂秀世政策委員長、穀田恵二国対委員長ら党幹部が立ち、寒風が吹きつけるなか、帰宅を急ぐサラリーマンや若者にイラク戦争反対を訴えました。渋谷駅頭で演説に聞き入っていた野村雄一郎さん(25)は「ここまで反戦のうねりがでてきたことは今までなかった。武力行使を支持する日本の政府は間違っている」と語っていました。
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JR新橋駅前でマイクを握った市田書記局長は「日本共産党は八十年、命がけで反戦平和を貫いてきた党です。世論と運動こそ、戦争をくい止める力。思想信条の違いを超え、イラク問題の平和的解決を求める声を日本中に広げに広げ、ご一緒に立ち上がりましょう」とよびかけました。
かつての東京大空襲では一瞬で十万人の命が失われたことに触れ、「イラク攻撃で罪なき人びとの命を奪うことは許されない」と指摘。世界で広がる戦争反対の巨大な流れにたいし、日本政府・与党が「誤ったメッセージ」(小泉首相)「利敵行為」(冬柴公明党幹事長)などとのべていることについて、「反戦世論を敵視する自民党、公明党こそ、平和と民主主義の敵です」と厳しく批判しました。
通りがかった人たちは次々と「イラク戦争に反対です」と書かれたビラを受け取り、「私も反対です」と語りかけてくる若い女性や、「ごくろうさま」と声をかける男性の姿もありました。
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筆坂政策委員長は、渋谷駅ハチ公前の街頭演説で「アメリカのイラク戦争を許せば、二十一世紀の世界は、戦争の強い国が好き勝手にふるまえる無法の世紀となってしまう。地球始まって以来の規模であがっている反戦の声を、さらに大きくしていきましょう」とよびかけました。
「小泉首相は、アメリカの武力行使に、反対をいえない。平和憲法をもっている日本の首相として、情けないではありませんか」。筆坂氏の訴えに、学生やフリーターの青年などが次々と足を止めました。「日本政府はだらしない。アメリカとの同盟を優先しすぎだ」(十八歳の男子学生)と共感の声も聞かれました。
九州から来ていた学生の衛藤誠さん(20)は「景気がよくないのに、戦争すればいっそう悪くなる。共産党支持ではないが、戦争をやめさせるために頑張ってほしい」と話していました。
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東京駅丸の内北口前では、穀田国対委員長らが、イラク戦争反対をよびかけました。
マイクを握った穀田氏は、アメリカがイラクに加えようとしている武力攻撃について「あらゆる点から考えて、無法の限りをつくしたもの」と批判。世界でも日本でも、イラク戦争に反対し、平和的解決を望む声が圧倒的だとのべ、「この声をさらに国連に、日本政府に届けていこう」と訴えました。
号外を受け取った都内大田区在住の会社員の秋元博さん(54)は「イラク攻撃には反対です。小泉首相には、第二次世界大戦の経験にみあった行動をとってほしい。戦争反対というべきです」と話していました。
足を止めて演説を聞いていた千葉県に住む五十三歳の男性は「戦争はとにかく困る。大変な死者がでるのはもちろん、経済的にも世界中が落ち込むでしょう。一人ひとりが自分ができることを考えていかないといけない」と話していました。
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仙台市青葉区の日本共産党中山支部は十一日朝、JR仙山線の北山駅前でイラク攻撃反対の街頭宣伝をしました。雪のなか「戦争反対の行動にともに立ち上がりましょう」と、通勤に急ぐ人たちに訴え、ビラを配布しました。
支部は、二十三日に中山市民センターで党演説会を開く予定にしています。支部長の木村恵保さんは、「イラク情勢が最も緊張する時期です。多くの人に参加を呼びかけて、百人は集めたい」と決意をのべていました。
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大阪市福島区の野田阪神駅前では、日本共産党の清水ただし府議候補と、きぬ川正夫市議候補が区内の支部・後援会とともに早朝と夕方に宣伝。ジョン・レノンの「イマジン」をテープでかけ、独自につくった紙芝居に査察の現状や反戦世論が盛り上がっている様子をイラストに示して「力を合わせ戦争に反対しましょう」と訴えました。
紙芝居を見ていた会社員の二宮絵里奈さん(23)は「戦争はいや」とイラク攻撃反対の署名にも応じました。友人の久保明日香さんは「戦争を支持するという小泉さんはおかしい」と話していました。
西宮市の竹谷夫美子さん(69)は「アメリカはなんで戦争をするのか。私はどんな戦争でも反対」といって署名しました。