2003年3月12日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン10日浜谷浩司】イラク問題が重大な段階にあるなかで国連安保理は十日、安保理理事国以外の国連加盟国が発言する公開会合を十一日午後(日本時間十二日午前)に開くことを決めました。非同盟運動を代表して議長国マレーシアが、イラク決議案の採決に先立って開催するよう安保理に申し入れていたものです。
一方、米英両国は、修正決議案の採決を当初見込まれた十一日から延期しました。決議案の採択に必要な九カ国以上の支持を得る見通しがたたないため。採決は少なくとも数日ずれ込むとみられています。
米政権は、この間にも多数派工作を続けています。ブッシュ大統領は十日、トルコ与党・公正発展党のエルドアン党首に電話。パウエル国務長官は九、十日にかけメキシコのデルベス外相、パキスタンのムシャラフ大統領、アンゴラのドスサントス大統領に電話をかけました。
修正決議案は、十七日を期限にイラクの全面武装解除を要求する最後通告を盛り込んでいます。 フランスやロシアなどは最後通告自体に反対し、拒否権の行使も辞さない構えを示しています。
ホワイトハウスのフライシャー報道官は十日、「表決に付される最終的な決議案に何が盛り込まれるかを言うのは早すぎる」とし、再修正の可能性が強いことを示唆。「基本的な内容は変わらない」と付け加えました。
決議案の修正は、国連の支持をなんとしても得たいブレア英政権が主導。決議履行の期限を数日先延ばしするとともに、イラクが履行すべき武装解除の課題を具体的に示すことが検討されています。