日本共産党

2003年3月12日(水)「しんぶん赤旗」

仏大統領が拒否権言明

米英案 どんな状況でも反対


 【パリ10日浅田信幸】フランスのシラク大統領は十日夜のテレビ・インタビューで、対イラク戦争に道を開く安保理決議を「拒否する」と言明しました。同氏は「百万分の一」のチャンスであっても「戦争をせずにイラク問題を解決できるよう全力を尽くす決意をなんら弱めるものではない」と表明。対イラク戦争阻止のために米英と徹底して対決する姿勢を改めて示しました。

 シラク大統領は、十七日を期限として対イラク武力攻撃を容認する米英スペイン提案の安保理決議案について、「いかなる状況の下でも反対する。イラクの武装解除という決まった目標を達成するのに戦争は必要ないからだ」と発言。またフランスは「査察官が『もう何もできない』といわない限り、自動的に戦争に導くような道に」踏み出さないと強調しました。

 拒否権行使に関しては、フランスが過去十八回、イギリスが三十二回、米国が七十七回にわたって行使していると指摘。「国際ルールのなかで例外的な現象ではない」とのべ、新決議案採決で拒否権行使の可能性を示しました。

 同大統領は同時に、新決議案が現時点では採択に必要な九カ国の支持を得ていないとのべ、決議案否決を「越えて米国が行動に出ることは危険な前例になる」と警告。「米国は目的を達した。戦争せずに目的を達するのは面目を失うことではない」と米国の自制を求めました。


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