2003年3月12日(水)「しんぶん赤旗」
【モスクワ10日北條伸矢】ロシアのイワノフ外相は十日、米、英、スペインが国連安保理に提出したイラク問題での修正決議案について、「採決にかけられれば反対票を投じる」と述べ、拒否権行使を明言しました。同決議案は「第一に(イラクにとって)実行不能な内容であり、第二に安保理決議一四四一を基礎に進めている問題解決の道筋と矛盾している」と批判しました。
同外相は「(七日の)安保理会合では、イラク問題を武力で解決する論拠は示されなかった」と強調。「政治解決のあらゆる可能性が存在しており国際社会はそれを利用すべきだ」と主張しました。
「イラクは米国と軍事的に対抗できるのか」との質問には、「統計数字の上だけでもイラクが米国に対抗できるはずがない。だからこそ(対イラク)戦争は大量虐殺と化すだろう」と回答。「これまでの安保理決議がめざした問題の解決が不可能になるだけではなく、非戦闘員の犠牲者を大量に生む結果になる」と武力行使の危険性を指摘しました。