2003年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の大門実紀史議員は十一日の参院予算委員会で、後を絶たない「政治とカネ」問題のうち、政治資金規正法違反で逮捕された坂井隆憲衆院議員と疑惑噴出の大島理森農水相の問題を取り上げ、農水相の任命権者である小泉純一郎首相の政治姿勢をただしました。
大門氏は、人材派遣会社などから一億二千万円のヤミ献金を受けていた坂井議員が、政治資金規正法に基づく「表の献金」でも違法な献金を受けていた問題を追及。二〇〇〇年、〇一年の二年間で三百二十万円を献金した「日本マンパワー」「アデコキャリアスタッフ九州」が厚労省の助成金を受けていることを指摘し、政治資金規正法二二条の「寄附の質的制限」にてらして違法な献金にあたるとのべました。
坂口力厚労相は「全体について誤りがあってはならないので、チェックするところはしたい」と答弁しました。
八戸市の土木、建築、舗装工事業者が「受注価格の低落防止をはかるため」談合したとして公正取引委員会の排除勧告を受けました。大島農水相はこのうち二十四社から三年間で三千七百万円を受け取っていました。
大門 落札率はほとんど98%以上で、談合で浮いたお金からの献金といわれても仕方ない。即刻返還すべきだ。
大島 政治資金規正法にのっとり善意で寄せていただいたもので、法にのっとってみなさんの前に明らかにすることでいいのではないか。
大門 森(喜朗)前首相、萩山(教嚴)前防衛庁副長官が談合にかかわった業者からの献金を返却し、あの鈴木宗男衆院議員さえ入札停止の「やまりん」からの四百万円を返却している。どうして返さないのか。
大島 (献金は)政治活動に対するお気持ちで、私どもとしてはむしろしっかりした政治をやることの方がいいのではないか。
政治資金規正法に基づく献金ということをタテに苦しい答弁を繰り返す大島氏に、「どういうことだ」との声が飛びました。大門氏は「大臣としての資質が問われる問題だ」と小泉首相に見解を問いました。
首相 法律にのっとって処理された後どういう問題があるかというのは、議員の事情にもより献金する側の事情もある。本人がどう判断するかという問題でもある。
大門 放任主義は本人のためにならない。任命権者としてきちんと指導すべきだ。
談合企業からの献金に何の道義的責任も感じない大島農水相、“本人の判断”とあいまいにする首相―。無責任な姿勢が浮き彫りになりました。
小泉首相は、個人、企業の献金者名を非公表にするという自民党の青木幹雄参院幹事長の案にも同調しています。「透明性が失われるとんでもない案だ」と批判した大門氏に対し、首相は「果たして五万円(以上の公表)が適当かどうか、一考を要してもいいんじゃないか」と答弁。「逆行だ」と野党席から批判を浴びました。