2003年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
【ニューヨーク11日遠藤誠二】ブッシュ米政権がイラク攻撃に道を開く安保理決議案を今週中にも採決に持ち込もうと画策するなか、国連安保理は十一日午後(日本時間十二日午前)イラク問題の公開会合を開催、安保理事国以外の二十八カ国・機関の代表が発言しました。同日、イラクへの軍事侵攻を急ぐ米英の決議案に支持を表明したのはオーストラリア、アルバニアの二カ国にとどまり、査察に基づく平和的な解決を主張する意見が圧倒的多数を占めました。
公開会合は、先にマレーシアで首脳会議を開いた非同盟諸国会議の要請に基づき開かれたもの。二十六カ国と、アラブ連盟、イスラム諸国機構(OIC)の二機関代表が発言しました。
非同盟議長国マレーシアのヤヒア代表は、二月下旬にクアラルンプールで開かれた非同盟首脳会議でイラク問題の平和的解決をうたった声明が採択されたことを紹介。「安保理が非同盟諸国の考えを真剣に受け止めることを期待する。イラクへの軍事行動の手段はとらないよう人道の名において訴える」とのべ、戦争反対を主張しました。
南アフリカ共和国のクマロ大使は、昨年十一月に安保理で採択されたイラク問題の決議一四四一は「戦争宣言でも軍事力行使のためのものでもない」と指摘。「世界中の人々がこの戦争に反対している」として、査察の継続強化を通じた平和的解決の必要性を説きました。
一方、英米を支持するオーストラリアとアルバニアの代表は、イラク側の非協力を指摘し「査察の継続は何ももたらさない」と主張しました。
公開会合は十二日午後も開かれ、日本など十四カ国が発言。二日間にわたる会合では、合計四十二カ国・機関が演説の予定。