2003年3月14日(金)「しんぶん赤旗」
イラク攻撃をめぐる動きが緊迫するなか、作家の井上ひさしさんや梅原猛・日本ペンクラブ会長らが呼びかけ人となって、十五日午後一時三十分から東京・日比谷野外音楽堂で開かれる「3・15大集会&銀座パレード」。さまざまなグループが参加を呼びかけ、連帯の輪が広がっています。
「平和を願う日本の良心を、いま世界に」の「思いをひとつ」に参加を呼びかけている3・15大行動事務局には「集会で発言したい」などの声が寄せられています。事務局の全労連副議長の西川征矢さんは「参加を呼びかけるビラやイラク戦争反対の署名用紙がほしいと若者からの照会もありました。先の3・8集会と銀座パレードに初めて参加したという若者たちからはこんどは舞台で発言したいといううれしい申し込みも。思ってもみなかった反響が広がっています」と語ります。
約四万人でパレードしたワールドピースナウ参加者からは「十五日の銀座パレードに参加したい。八日のときは開会時間に会場についたら、日比谷野外音楽堂が満員で入れず残念でした。こんど開場時間を教えてほしい」という問い合わせもあります。
三月八日の「ワールドピースナウ」に参加した「ピースパンシップ」の瑳山ゆりさん(写真家)は、一月に友人に誘われサンフランシスコのピースウオークに参加したことをきっかけに、ピースパンを広げる活動を始めました。
ピースパンは、平和の象徴ハトの足跡から生まれたピースマークの形のパン。そのピースパンをプラカード代わりにもってあるく人の一団に心を奪われ、シャッターを押しつづけました。「ウオークは明るくて戦争反対というより平和をビジョンで生きているという感じでした」
二月初めに開いたウオークの写真展では、近所のパン屋(東京都渋谷区恵比寿西一の三〇の一三)に焼いてもらったパンを売りました。友人のイラストレーターなどにも声をかけ「ピースパンシップ」という名前で、ピースパンを焼いてくれるパン屋さんを募集しています。
「パンを買ってくれたらもうこの船に乗ったということ。地球のすべての人々においしいパンが届きますように、そんな思いをこめています」。「3・15銀座パレード」にも仲間たちと参加します。「今度はみんなにパンを掲げて歩いてほしい」
「高校生のときから平和を願う取り組みをしてきたけど、あんな集会は初めて」と興奮気味に話すのは、CHANCE!(チャンス)のメンバーとして「ワールド・ピース・ナウ3・8」のスタッフを務めた上野太一さん(21)─私立大学三年生─。上野さんは「3・8」に続いて、十五日に開かれる大集会への思いを話します。
「野外大音楽堂に入りきれずに公会堂の近くにいた百五十人ぐらいでミニ集会を開いたんです。言葉では伝えられない思いを絵にしてきた人や東京大空襲でおばあちゃんを亡くした年配の人など、みんな初対面だったけど、思いを丁寧に話してくれました。『戦争をとめたい。なんとかできたら』との世代を超えたつながりを感じました。十五日もたくさんの参加で、会場をあふれさせよう」
上野さんの友人でアコースティックユニット「海楽歌人(からかっと)」で活躍中の矢口直さん(22)も、八日に続く参加です。
「『音楽仲間を集めて平和を訴えよう』と、参加をよびかけています。いま戦争ノーの思いは確実に広がっている。思っているだけではなく、何かしらのアクションをして示してほしい。そうすれば世界に思いをよびかけられる」と話します。