2003年3月15日(土)「しんぶん赤旗」
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政党支部をトンネルにして、企業・団体献金を受け取ってはいけない政治団体に流れ、飲み食いやゴルフ等の接待に使われていた−日本共産党の八田ひろ子議員は十四日、参院予算委員会で、大島理森農水相の新たな疑惑を明らかにしました。
支出のほとんどが飲み食いに使われていたのは、経済社会開発研究会、大島理森後援会(東京)。両事務所は都内の同じ住所に置かれ、代表者は大島農水相の同一の秘書がつとめています。
八田氏は、これらの政治団体に企業献金が流れ込んだルートを調査。大島氏が代表をつとめる自民党青森県第三選挙区支部が受け取った二〇〇〇年の企業・団体献金約七千九百万円のうち約六千六百万円が、大島後援会など三つの政治団体に流れていました。また、資金管理団体である大島理森政経会を迂回(うかい)して、約七百三十万円が政治団体に流れていました。(図参照)
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政治資金規正法は、「政党本位、政策中心」の活動をすすめるため、企業・団体献金を政党支部に対するものに限定しています。大島氏の選挙区支部は、脱法的に政治団体に献金を流し込んでいたことになります。
しかも、選挙区支部も資金管理団体も、本来の政治活動は一切行っていないことも、八田氏は明らかにしました。支部の支出のうち組織活動費は18%。残りは寄付・交付金で、その八割の六千五百九十一万円が政治団体などに流れていました。資金管理団体に至っては、支出の全額が政治団体への寄付でした。
大島農水相は「共産党がこれだけ調べられるのは透明性が高まっている結果だ」などと開き直りの答弁。八田氏は、「これだけ疑惑が相次ぐのでは閣僚の資格はない」と批判し、関係秘書の参考人招致を求めました。