2003年3月17日(月)「しんぶん赤旗」
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東京での一万人余の大集会と銀座パレードなど日本各地の取り組みを起点に、アジア・大洋州から米国のワシントン、西海岸まで、3・15国際反戦統一行動が世界を一周しました。
【パリ15日浅田信幸】アスナール政権が米の対イラク政策に無条件支持を与えているスペインで十五日、一カ月前と同様に大規模な反戦デモが各地で繰り広げられました。主催者発表でマドリードでは百万人が、バルセロナでは五十万人がデモ行進に加わり、「戦争を阻止しよう」「アスナールは辞任せよ」などと訴えました。
マドリードでのデモの終結集会では、ポルトガルのノーベル文学賞受賞者ジョゼ・サラマーゴ氏が宣言を朗読。「われわれは戦争好きの政治家たちの気まぐれに反対し、誠実な人々の平和の意思を示すために立ち上がった」と訴えました。
【パリ15日浅田信幸】雲ひとつなく晴れわたり春の日差しが降り注ぐパリで十五日、八万人が「戦争反対」を叫んで市内をデモ行進しました。パリでの大規模反戦デモは四度目。
年金生活者のロバンさん(64)は「イラクでの戦争が差し迫っているように見えるが米国が悪い。シラク大統領はよくやっている。米国の狙いが世界第二の埋蔵量をもつ石油にあるのは明白。戦争が起こっても、とことんデモするしかない」と語りました。
学生の一団の中で行進していたマレーさん(20)は「米国は孤立を深め、ブレア英首相は国民のなかで完全に孤立状態に陥り、米英間で安保理決議案をめぐって亀裂が生じています。これは運動の成果」と、きっぱり。
デモコース沿いのアパートから身を乗り出すようにナベをたたいて激励する人、小中学生数人がベランダに並んで「平和ウイ、戦争ノン」と唱和する姿もありました。
【ベルリン15日片岡正明】どこまでも続くろうそくの光に照らされる「イラク戦争ノー」の横断幕―ドイツでは十五日、ベルリンで三十五`続く「光の鎖」行動に約十万人が参加したのをはじめ、各地で反戦平和行動がとりくまれました。
ベルリンでは町のシンボル、ブランデンブルク門を中心に夜七時から八時過ぎまで市内三十五`を「光の鎖」が貫きました。
青年、労働者、老人、平和活動家、宗教家らが、思い思いにろうそくやランプを持って行動に参加しました。
片手にろうそく胸にプラカードをつけて参加したムニアー・イサさん(44)は「この戦争は国際法を踏みにじりテロリストを利するだけ。世界の国民が反対している」と話しました。
高校の友達同士で参加したリアさん(16)は「人をたくさん殺す戦争はやめるべきです。ブッシュは自分が神様のように思っているかもしれないけど、市民一人ひとりも集まれば力を持っている」と力強く語りました。
フランクフルトのラインマイン米軍空軍基地前では約千人が参加して基地ゲート前で座り込みました。
【ワシントン15日遠藤誠二】反戦の人の波が再びワシントン市内を埋めました。
「ブッシュはうそつき」との手製のプラカードを持ちニューヨーク州から参加したマニュエル・ポサダさん(73)は、「フセインは確かに独裁者かもしれないが、攻撃をしかけない国に戦争するのは絶対にあってはならない。国際法を守らない行為は、イラクがクウェートに侵攻したのと一緒で、ムッソリーニやヒトラーとも同じだ」と指摘します。
友人と一緒に、たった三人で反戦はがきの賛同をよびかけていたエイミーさん(27)は、「二週間で五千枚集めました。民主党の幹部に送り、反戦活動強化を訴えるつもり。政府への圧力は強まっており、平和の可能性はまだ残されています」。
バージニア州アーリントンの高校で反戦組織を立ち上げたメリッサさん(18)は、友人とともに大きな横断幕を掲げ集会に参加。「全校生徒千六百人の約三分の一から反戦署名を集めました。たとえ戦争が始まったとしても運動を弱めるつもりはありません」と語りました。
【ドーハ15日岡崎衆史】アラビア半島南端のイエメン各地で十五日、対イラク戦争に反対するデモが行われ、数十万人が参加しました。与党の国民全体会議やイスラム団体、労働組合などが呼びかけたもの。
現地からの報道によると、首都サヌアのデモ参加者は「イラク侵略は自由への侵略だ」「戦争と内政干渉反対」などと訴え、市内を約三時間にわたって行進しました。
同デモではアルイリヤニ・イエメン大統領補佐官が「イラク攻撃と同国への内政干渉は人類への侵略。戦争を拒否し、平和的解決を望む国連安保理の多数派が体現する国際秩序に制限を加えるものでもある」と訴え。米国などを批判しました。
アルアハマル国会議長も声明で、イラク攻撃はイラクのみに向けられたものではないとし、戦争阻止でアラブ指導者が協調するよう訴えました。
【メキシコ市15日菅原啓】メキシコ市内で十五日、イラクへの武力行使に反対し、平和的な解決を求める平和コンサートやデモが行われ、計三万人が参加しました。デモ参加者は「ブッシュ、よく聞け。メキシコは戦争に反対だ」などのシュプレヒコールを繰り返しました。
「戦争反対」と書き込んだメキシコ国旗をまとって行進していた大学院生のロシオ・セレナさん(27)は、「政府は紛争の平和的解決を原則とする憲法にしたがって戦争反対の投票をすべきです。フォックス大統領がこの立場を最後まで貫くよう私たち国民がさらに圧力をかけていきたい」と語っていました。