2003年3月17日(月)「しんぶん赤旗」
アメリカのイラク攻撃に反対する世界中の世論が高まっています。日本の高校生も、二十一日に東京・渋谷区の宮下公園で平和大集会を開こうと連日準備を進めています。合言葉は、「両手に友だちをつれて渋谷に行こう」――。八人の呼びかけ人のうち、三人に思いをつづってもらいました。
渡辺絵(かい)さん(埼玉高校生平和ゼミナール実行委員長)
イラクにもたくさんの高校生がいて、夢をもち、悩みを友だちに相談したり、好きな人がいたり、日本の高校生と同じように毎日をすごしています。攻撃が始まれば、その「日常」は壊されてしまいます。血と涙に染まった「日常」になってしまいます。それを黙って見ていることはできません。
「3・21全国高校生平和大集会」に友だちを誘うなかで、イラク攻撃への関心の高さに驚きました。戦争はイヤだと思っていても、「思っているだけ」になってしまっている人がたくさんいるようです。そういう人が声をあげていけば、きっと戦争は回避できます。高校生のみなさん、三月二十一日は、ぜひ東京の渋谷にきてください。いっしょに、戦争するのをやめさせましょう。
土井ひろみさん(第七回東京の高校生平和のつどい実行委員長)
いま、イラク攻撃がおこなわれるかどうかで、世界は大きく変わろうとしています。戦争という、人の命を無差別に殺してしまう残虐な行為に対し、反対の世論が大きくなっていることを、メディアの取り上げ方の変化で実感しました。
東京・渋谷のスクランブル交差点の前で、「高校生戦争協力拒否宣言」署名を集めたとき、これまでにない経験をしてビックリしました。こっちから署名の呼びかけをしなくても、自分から書かせてくださいという思いで書きにくる人が圧倒的に多くて、平和への思いを行動に移そうという人が増えてきているんだ、と実感しました。
高校生のみなさん、3・21全国高校生平和大集会に、一人でも多く参加してください。
佐藤知弘さん(高校生戦争協力拒否宣言アピール署名実行委員長)
戦争は「人が人を殺し、人生をうばうこと」だと思うから、絶対に否定します。罪がある人であろうが、罪がない人であろうが、その人の「生きる」ということが「殺人」というもので否定されるべきではありません。
♪ 夢をあつめてみよう 今日を生きるねがいを一人ひとりが持つ 大切なその夢を だれもが幸せを 育てるためにうまれ 新しい扉ひらく いのち輝く時代(とき)へ
私の好きなうた「いのち輝く時代へ」(中央合唱団作)の一節です。まさにこの思いが私の戦争への思いです。「人が生きること」は「夢を育てること」なのだから。
「イラク攻撃反対 ぼくたちの手で戦争をとめよう 全国の高校生あつまれー! 3・21全国高校生平和大集会」が正式名称です。目標は千人。主催しているのは、各地で平和活動をしてきた平和ゼミナールなどの高校生たち。「歴史に残る集会にしたい」と意気盛んです。
大事にしているのは、「高校生がそれぞれの戦争反対の思いをいろんな形にして持ちよろう、交流しよう」ということ。記者会見(七日)では、歌や踊りのパフォーマンスをしたいと訴えました。著名人や海外の高校生のメッセージを集めようという声もあります。
集会には、北海道から沖縄県まで、全国各地から参加したいという声が寄せられています。愛知県からはバス二台で参加予定。大阪府からは「イラク攻撃あかんで署名」一万人分を集めて参加する計画。東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県では県内すべての高校の生徒会にビラと「ピースフル メッセージ」を郵送しています。
「ピースフル メッセージ」は、集会にこられない人の声も集めようと取り組まれているもの。一万人が目標です。
連日おこなわれている宣伝では、自分からメッセージを書きに来る人、ビラを見て「友だちにも渡したい」と何枚も受け取っていく人の姿が相次いでいます。「メールメッセージ転送作戦」で身近な友人にメールを送る、という人もいます。
【埼玉高校生平和ゼミナール】
埼玉県の高校生の自主的平和活動として二十年以上前から続いているサークル。核兵器廃絶を目標に、被爆の実相や戦争体験などを学んでいます。学習のサポートとして高校の先生が援助をしています。
【高校生戦争協力拒否宣言アピール署名実行委員会】
東京の高校生たちが有事法制に反対し「あらゆる戦争協力を拒否します」と昨年六月に結成。手づくり署名を作成し、ことし二月には九千六百人あまりの署名を外務省に提出しています。
【東京の高校生平和のつどい】
平和サークルに参加する東京都内の高校生たちが実行委員会をつくり、平和について学び、交流しています。つどいは一九九五年からおこなわれています。
日時 三月二十一日、午後二時から
場所 東京・渋谷区の宮下公園(渋谷駅下車徒歩五分)
集会終了後、アメリカ大使館までデモ行進します。
【問い合わせ先】高校生平和ゼミナール全国連絡センター (090)12072471 ファクス0429(85)4650
メールアドレス
nowar_hs@yahoo.co.jp
ホームページ
http://www3.geocities.co.jp/HiTeens/2859/
趣味で作詞・作曲をしているという埼玉県大井町の前原篤之さん(27)=学童指導員=から、「俺たちの時代」という平和の曲をつくった、とメールが届きました。世界中でイラク攻撃反対の行動が行われた八日、大宮駅前で披露されました。
駅前には小さな仮設ステージが用意されていました。「3・8ピース・アクションさいたま」と赤字で書かれた横断幕。「イラク戦争反対」行動に、百人ほどが集まっていました。ペンライトを振りながら、「NO WAR」のポスターをかざす若者たち。マイクを握って口々に自分の思いを訴える大学生、高校生。ミュージシャンの即興演奏。つい最近までイラクに行っていたというCNNの男性記者も、飛び入りでイラク情勢を報告。駅前は「アメリカはイラク攻撃をやめろー」と大きく盛り上がります。
前原さんは、最後に登場しました。友人の日置克巳さん(25)、河野匠さん(18)がいっしょです。「この国で生まれて育ち 豊かな暮らしをしてきた はずだった/だけどどうだい 本当に豊かなのか?/仕事 暮らし いのち 平和の安心/俺たちが求めるものは こんなにたくさん あふれている……」。ストレートなメッセージに、ひときわ大きな拍手がわきおこりました。
「オリジナルでつくった歌で、自分たちの主張を出したかった」と前原さん。日置さんは「人を殺すため、武器を使うというのは生産的ではありません」と訴えます。河野さんも「アメリカの戦争目的は理解できません。日本の小泉首相も、力を尽くして平和解決をすすめていくべきなのに、アメリカ追随で腹立たしい」。
東武東上線で一駅ごとにライブをする「東上線北上作戦」を計画中です。
「恋愛を科学する」をテーマに民青同盟愛知県委員会がこのほど、名古屋市内で講座を開きました。
「恋愛を科学する」は、同県委員会が「同盟員に科学の目をもってほしい」と教育基本法など時事問題を題材に開催している連続講座の一つです。日本福祉大学の池谷壽夫教授を講師に迎え、ジェンダー(社会的文化的につくられた性差)やDV問題などを学びました。
池谷教授は、自由で対等な恋愛関係をはぐくむために「男・女らしさにとらわれないで、率直に語り合うなかでお互いの誤解を解きほぐし、威嚇や脅かしのない意思疎通と協力のあり方をつくりだしてほしい」と参加者に投げかけました。
日本福祉大学四年の檜垣栄慈さん(23)は、恋愛の仕方も人格形成に影響されるものと実感した、といいます。
自由討論では、「雑誌の恋愛特集に影響される」などの経験も飛び出し、参加者が本音で交流。「これをきっかけに彼氏と話し合いたい」という高校生(18)も。
名古屋芸術大学三年の女性(21)は「女らしさに縛られているせいか、特に好きな人の前では自分の意見が言えませんでした。これを機会に意見が言えない自分を変えたい」と決意をのぞかせました。
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