2003年3月17日(月)「しんぶん赤旗」
「STOP!WAR イラク攻撃反対」を掲げて十六日、宇都宮市の中心街でデモ行進がありました。主催した3・16ワールド・ピース・ナウ宇都宮アクション行動実行委員会の参加予想は十人程度でしたが、買い物客らが飛び入りで続々加わり、三百人にふくれあがり、「アメリカのイラク攻撃は許さない」の唱和を響かせました。
ビラをみてデモに飛び入り参加した会社員の大西謙一さん(33)は「デモは初めて。イラクへの攻撃はさせない。日本政府のアメリカいいなりも許せない」と妻と二人で戦争反対のプラカードを手に歩きました。
「戦争して何が変わる。心に傷を残したくない。その一心でポスターをつくってきた」という二人の高校生、「戦争反対」と路上で手を振っていた五人の青年がデモに加わるなど、若い世代の参加が目立ちました。
同実行委員会の内海成和さん(34)=農業=は「初めての行動です。黙っていられなかった。数人で行動することも考えていたが、こんなに集まってうれしい。頑張りたい」と話していました。
十六日、夜七時、やわらかな雨にしっとりとぬれた東京・原宿の街で、ろうそくの炎がひとびとの心を温めるように燃えていました――。
イラク戦争反対の思いをこめ、ニュージーランドから始まり、世界百二十九カ国、五千七百二十五カ所で取り組まれた「キャンドルライト平和の祈り」の一こまです。日本では、東京、札幌、鎌倉などの各地で「平和の祈り」がささげられました。
「平和の祈り」を呼びかけたのは、ノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ大司教など宗教団体の指導者ら。
原宿にはインターネットや友人から誘われた人たちが、三々五々集まりました。若いカップルからお年よりまで、外国人の姿も。参加者は約二百人。「人々の幸せを奪わないで」(二十代、女性の参加者)と、それぞれの思いをこめて黙とうをささげました。「ギブ・ピース・ア・チャンス」とジョン・レノンの歌のフレーズをくちずさむ歌声は静かな合唱となり、街に流れました。
東京・狛江市のジュリア小野さん(37)は七歳と四歳の娘を連れて参加。「ブッシュ大統領の凍った心をこのキャンドルライトで溶かしたい」と語りました。
東京・渋谷区では十五日夜、市民団体がイラク攻撃に反対して千駄ケ谷から渋谷まで約千人がパレードしました。
パレードは3・8集会以来二度目という佐藤美樹さん(30)はイギリス人、ペルー人の友人らと四人で参加。「八日は『やってみたいな。どんなものなのか行ってみよう』と出かけたら、人がいっぱいいてびっくりしました。戦争で傷つく人を見たくない。ただ見てるだけじゃなく、『戦争はいや』という気持ちを示すのは意味があることだと思います」と話します。
「ひょっこりひょうたん島」のドン・ガバチョ大統領もひとみ座の伊藤史朗代表(61)とパレードしました。「彼は平和主義者。戦争大嫌いですから」と伊藤さん。
「戦争反対。殺しはやめて」というコール。沿道の若者からも「興味ある。やってみたい」という声が上がっていました。