日本共産党

2003年3月19日(水)「しんぶん赤旗」

無法な戦争、世界が批判


 ブッシュ米大統領の十七日のテレビ演説で示されたように国連および国際社会の声をふみにじる米政権の対イラク戦争強行の姿勢に、世界から批判や非難があがっています。

中東と世界に重大影響
フランス外相

 【パリ18日浅田信幸】対イラク戦争を急ぐ米英に対し、フランスのドビルパン外相は十七日、声明を発表し、戦争が「中東と世界に重大な影響」をおよぼす恐れがあると警告しました。声明は米英スペインの三国が決議案を撤回すると発表した直後に出されました。

 同外相は、安保理の「広範な多数が査察を通じたイラクの武装解除を優先させている」なかで「米英スペインは武力行使への決意を強調している」が、「(攻撃を)正当化する何ものもない」と批判しました。

平和解決あきらめない
ドイツ首相

 【ベルリン17日片岡正明】シュレーダー独首相は十七日の記者会見で、イラク問題の平和的解決のために最後まで努力すると表明しました。

 同首相は、国連査察団によるイラクの大量破壊兵器査察で成果があがってきたにもかかわらず、いまや「平和的解決」が難しくなっていると事態を評価、同時に「外交的手段による解決実現のために最後の最後まであきらめない」と語りました。

国連の枠内での解決を
中国首相

 【北京18日田端誠史】全人代で新しく任命された温家宝首相は十八日午前人民大会堂で、内外の記者団と会見し、急を告げるイラク問題について、国連の枠内での政治的平和的な解決を主張し、戦争を避けるべきだと述べました。

 温首相は、国連安保理決議一四四一を引き続き履行し査察を継続するよう求め、同時にイラクが国連の機関の査察実施と大量破壊兵器の不保持のために協力すべきだと主張しました。

 また同決議が国連憲章に合致し、尊重されるべきであると述べました。

世界を破滅に導くもの
マレーシア首相

 【メキシコ市17日菅原啓】マレーシアのマハティール首相は訪問先のブラジルで十七日、米国が国連の承認なしに強行しようとしている対イラク戦争について人類と世界を破滅に導くものだと厳しく批判しました。

 同首相は、米国が国連を無視して、戦争に突き進めば、国際連盟がかつて崩壊したように、国連そのものが崩壊する危険性があると指摘。「米国が国連の意見を無視するならば、歴史は繰り返される。それは、世界にとって破滅的なことになるだろう」と語り、国連の承認なしの戦争開始がもたらす重大な「影響について(米国が)真剣に考慮するよう希望する」との立場を明らかにしました。


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