2003年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
|
母親が幼子を抱いた記念碑のある広場に、三歳から十歳の子どもたちとその先生、保護者、学生などが次々に集まってきました。「戦争に反対する国際婦人デー」と書かれた横断幕の横には“命の象徴”である灯のともったろうそくがいくつも置かれていました。戦争反対を訴えるため米大使館まで歩くのです。ろうそくは大使館前に並べます。命の尊さを訴えるためです。
「イラクの子ども、メキシコの子ども、みんなに平和を」と書いたハート型のプラカードを持った子どももいました。一人の若い男性が「イラクの子どもたちは生きたいと願っているし、遊びたいと思っている。戦争反対」というと、子どもたちが「そうだ」と答えました。
しかし、この男性に主催者はいいました。「叫びたい気持ちはわかるが、これは静かな尊厳ある行動です。いいたいことはプラカードを見てもらえれば十分です」
メキシコのデモは、米大使館前で星条旗を焼くのが“恒例”ですが、このデモは本当に静かでした。それだけに人々の心を打つものだったに違いありません。最初は五十人ぐらいだったデモが、最後には三百人近くにまで増えていきました。
いっしょに参加したアントニア・ポサダスさんは「戦争が起きたらイラクで子どもたちがたくさん死にます。どの国でも母親は子どもを守ります。戦争は反対です」と話します。
「ノー・ア・ラ・ゲラ、シー・ア・ラ・パス」(戦争反対、平和を)という声は、大きなうねりになりつつあります。(メキシコ市在住 菅原久仁栄 写真も)