2003年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
「イラクの子どもたちに爆弾を落とすな」。ブッシュ米大統領がイラクへ攻撃の最後通告を行い、小泉首相が戦争支持を表明した18日、全国各地で、「平和の道、絶対あきらめない」という多彩な行動の輪が広がりました。日本共産党も、「なんとしてもイラク戦争を食い止めよう」と抗議の街頭宣伝、署名行動を行いました。
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十八日夜、東京・日比谷野外音楽堂で開かれたイラク攻撃に反対する「3・18緊急中央集会」には、「イラク戦争を絶対にやめさせたい」と手製のプラカードをつくってきた母親など約二千五百人がかけつけました。
「NO WAR」と書いたTシャツで参加したのは、東京・中央区の細田加代子さん(45)。経営する飲食店でもTシャツを着ています。「いつも民衆が歴史を動かした。だからがんばります」。娘の貴子さん(17)は初参加。「戦争ってやばい。自分も何かしてみようと思った」と話していました。
「職場でニュースをみて、怒りがわいてきた。行動をおこさないと一生後悔するよって友だちにメールも送って参加しました」と東京・江戸川区のアルバイトの女性(26)は語りました。
「友だちからの電話で集会のことを知り、かけつけました」というのは、相楽満子さん(23)=劇団員=。「毎日のニュースを見るたびになぜ世界の反戦の声に逆らうのと腹立たしい思いでした。戦争は絶対許せない」と力を込めました。
集会は、全労連など七団体が呼びかけたもの。日本共産党の小池晃参院国対委員長代理が情勢報告しました。集会後、キャンドルやペンライトを手に国会までデモ行進。飛び入り参加するサラリーマンもいました。
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十八日の昼。国会前に、「PEACE(平和)」の文字をあしらったカラフルな手書きの横断幕やキルトを掲げて、平和を願う気持ちをアピールする人たちがいました。「フラワーチルドレンマザーズ」の二十人。
チューリップやガーベラなどの花と、会に寄せられた平和のメッセージをもって、国会議員や内閣府に届けました。
二月初旬に長野の井出教子さんら三人の主婦が呼びかけた運動。この日、各地で連絡をとりあっていたメンバーが集まった初の行動となりました。「まさか、普通の主婦たちが国会に来るまで行動するなんて私もびっくり。でも、誰もが私たちのように、戦争反対の気持ちを何とか表現しようと思っているんじゃないかしら」と井出さん。
井出さんは生まれ育った東京から自然の豊かな長野に移住して十六年。六歳の息子がいます。環境問題や食の安全について関心をもってきました。「命より経済を優先するという点で環境破壊の問題と今回の戦争とつながるものを感じる」「何としても平和的な解決を」と寸暇を惜しんで走り回っていました。
十八日、東京・港区のアメリカ大使館前は「戦争やめよ」と訴える人の姿が絶えませんでした。
昼すぎからは若者らがかけつけて「ブッシュ演説を聞いてじっとしてられなくて」と抗議。湾岸戦争の劣化ウラン弾の犠牲になった子どもや女性の写真を掲げて「イラク攻撃反対」「罪のない子どもや女性を殺すな」と訴えました。
高校生も花束やギターを手に「『戦争は絶対にイヤ』というのが、私たち高校生の気持ちです。ぜひわかって」と声をはりあげました。二十一日に東京・渋谷の宮下公園で開く全国高校生集会の実行委員、村上加奈さん(三年生)は「何がなんでも戦争を止めたい。私たちのような若い若い命を奪わないで」。
朝から夕までプラカードを手に抗議しつづけた加藤義啓さん(28)は「ブッシュの演説を聞き、がまんできなくなった」と一人で駆けつけました。「いま行動しないと生涯後悔することになる」と加藤さん。
通訳としてイラクに二回行ったという東京の外国大大学院生の女性は、そのときに撮った放射線障害の子どもの写真を掲げて「戦争で犠牲になるのは、こうした普通の庶民です。戦争の恐ろしさを知りました。戦争は絶対に反対です」と語っていました。
「イラク戦争反対の声を」「世界の平和を愛する人々とともに」と、全大阪労働組合総連合のパート・非常勤部会は十八日、大阪市北区で「二〇〇三年春闘パートデモ」を行いました。パート、アルバイト、臨時雇い、非常勤、派遣労働者ら八百人が参加しました。
中之島野外音楽堂に集まった参加者は緊急アピールを採択し、アメリカ総領事館前を通り大阪駅前までデモ行進。領事館前では、英語で「ドント アタック イラク!」「ウイ ラブ ピース!」「ブッシュ アウト!」と怒りの声をぶつけました。ジャンボバルーンを先頭に、プラカードやタペストリー、横断幕などでアピールしながら行進しました。
アメリカが戦争に踏み出そうとしている緊迫した情勢のなか、国会前で十八日、医療法人社団健友会と東京民医連の人たちが、「イラク攻撃反対」「首相は米国支持をやめよ」と座り込みました。
ヘルパーステーションで働く菜花慈子さん(53)は、「利用者のお年寄りは戦争体験者。空襲で二度も三度も家を焼かれた話をして、『やっと平和な国になったと思ったのに、生きてるうちにまた戦争になるなんて、身が震えるほどいやだ』といいます。私は戦後生まれだけど、二十六歳の息子がいるし、不安です」と訴えます。
大阪府寝屋川市の京阪寝屋川駅前で十八日、民青同盟の高校生や学生らが、「戦争が始まったら三十万から四十万の人たちが、本当に死ぬという事実をみなさんにわかってほしい」(二十五歳の学生)と、イラク攻撃反対を訴え、署名を集めました。
この日の朝、米英が国連決議なしでイラク攻撃に踏み出すと表明したニュースを見た青年たちが、「何かせな」と急きょ、宣伝を決めたもの。大学の卒業式の最中に「きょう緊急に宣伝できへんかな」と友人たちにメールで呼びかけました。
宣伝では日本共産党衆院大阪十二区候補の西森洋一氏と府議候補の長野くに子氏とかわるがわるに、マイクを握りました。
署名用紙を持った高校生の周りに青年らが数人集まって署名を待つ光景も。「大阪の高校生は平和が好きやねん イラク攻撃絶対あかんで署名」に署名した高校生の稲毛槙吾さん(17)は「やっと世界の国が仲良くなってきたのに、けんかを始めるのはやめてほしい」。鈴木佐和子さん(28)=学生=は「人が殺されるとか傷つけられるのは何があってもだめ、これは基本的なことでしょう」と話し署名しました。
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小、中、高校生のグループはじめ青年も年配者も途切れることなく署名に応じるなど、「なんとしてもイラク戦争を食い止めよう」との思いが十八日、千葉県柏市の日本共産党加藤英雄県議事務所と後援会がJR柏駅前で行ったイラク戦争反対の緊急宣伝・署名行動に寄せられました。
息子(30)と一緒に署名した市内に住む大淵正子さん(57)は、「戦争の意味がわからない。アメリカは自国の都合だけでやっている。これに追随する小泉首相もおかしい。日本として独自の意見を言うべきです」と話しました。この行動には十四人が参加。一時間でイラク戦争反対署名が二百十人から寄せられました。
日本共産党の小泉健一郎札幌市議候補は十八日、JR札幌駅北口前などで「戦争が始まると、インド洋に派遣している自衛艦の活動も米軍に組みこまれ、日本も戦争当事国になります。国民がイラク戦争を望んでいないのに、こんなことが許されるのか。反戦の声をあげ、米国の戦争を食い止めようではありませんか」と訴えました。
帰宅途中の若い女性労働者が「戦争になったら大変だわ。なんとかやめさせたい」とビラを受け取ったり、立ち止まって話を聞く人もいました。
同区の坂本きょう子市議も地下鉄麻生駅前などで宣伝をしました。