2003年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
沖縄県名護市沖合の米軍新基地建設で絶滅が危ぐされているジュゴンが在日米軍の保護対象リストに新たに掲載されたことが十八日の参院予算委員会で初めて分かりました。日本共産党の岩佐恵美議員の質問に環境省が明らかにしたもの。
在日米軍は、米軍施設や演習区域での野生生物などの保護を定めた「環境管理基準」を二〇〇一年十月に改定。新たにジュゴンが絶滅危ぐ動物リストに掲載され、保護の対象になりました。
また外務省は岩佐氏の質問にたいし、米海軍作戦部長指令「環境および天然資源に関する計画マニュアル」で、基地建設で絶滅危ぐ種の生存を脅かすことがないよう関係機関と協議したり、環境影響評価を実施するよう規定していることを初めて明らかにしました。
岩佐氏は、米国内では種の保存法で絶滅危ぐ種と、そのえさ場となるサンゴ礁の保護を厳しく義務付けていることもあげて、「アメリカではジュゴンの生息を脅かすような基地建設は許されない。基地建設にともなうジュゴンやサンゴ礁への影響についてアメリカと話し合っていくべきだ」と求めました。
川口順子外相は「日米合同委員会の環境分科委員会の枠組みなどで話し合っていきたい」と答えました。