2003年3月20日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン19日遠藤誠二】ブッシュ米大統領がイラクへの最後通告の期限とした十九日午後八時(日本時間二十日午前十時)が迫り、ペルシャ湾岸地域の二十八万の米英軍が軍事攻撃開始の準備を整えています。一方、国連安保理は十九日午前(日本時間二十日未明)に外相級会合を開催、軍事解決に反対する諸国によって戦争阻止、平和的な解決への道を追求する努力が続けられました。
同日の安保理にはドイツ、フランス、ロシアの外相、米英は国連大使が出席。国連監視検証査察委員会のブリクス委員長から報告を受けました。
独仏ロは、先の三国共同声明に沿って査察の継続・強化こそ「現実的な道だ」と主張。この日の安保理も三国の要請で開かれ、アナン事務総長も出席しました。発言でドイツのフィッシャー外相は、外部から「軍事的手段で政権交代を図ることは国連憲章で許されていない」と米英を批判しました。
ニューヨーク・タイムズ紙十八日付は、「国連憲章に、大統領の先制攻撃論の入る余地はない」とのホフマン・ハーバード大学教授の指摘を伝えました。