2003年3月20日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン18日浜谷浩司】ブッシュ米政権がイラク侵攻を決め、国連査察団がイラクを撤収するなかで、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は十八日、記者団に対して、査察をやめるべきではないと述べ、戦争に突き進む米国を批判しました。
同委員長は「三カ月半で査察の扉を閉ざすのは筋が通らないと思う」と断言。査察を決めた安保理決議一四四一は、査察をこれほど短期間で終わらせることを前提にしていたとは思わないと述べました。
さらに同委員長は、イラクの大量破壊兵器問題は明らかにされていない点が数多く残ってはいるが、査察団がイラクが大量破壊兵器を保有していると主張したことはないと言明。大量破壊兵器の保有を理由にした対イラク武力行使に明白な根拠がないことを改めて示しました。
ブリクス委員長はまた、「世界世論の大勢は、戦争に突き進むのは早すぎるとみている」「軍事行動には疑念が強い」と指摘しました。