2003年3月20日(木)「しんぶん赤旗」
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「イラクの子どもたちを助けたいと思ったら、友だちに送るように、メールまたはファクスを送りましょう」
全国の小児科医が待合室で、湾岸戦争の犠牲になったイラクの子どもたちの写真展を開いて、米英によるイラク攻撃に反対する世論を広げています。
呼びかけたのは、群馬・前橋協立病院の小児科医、深沢尚伊さん(50)です。反核医師の会のメンバーです。
二月初旬のこと、「こどもの命を守る小児科医として、何かできないか」と考えました。それが、待合室で写真展を開くこと。そして、見た人に日本政府や国連安全保障理事国にメール、ファクスで戦争阻止の訴えを送信してもらうことでした。
全国の小児科医と診療上の問題で意見交換しあうメーリングリスト上で呼びかけると、すぐに四十人近い医師から賛同のメールが。いまも賛同の声が寄せられています。
フセイン大統領の見方など意見の違いはありますが、「イラクの子どもたちをおとなの理屈で始める戦争の犠牲にしてはいけない」が一致点。
前橋協立病院の待合室でも、「何かできないかと思ったんですが、メールやファクスなら簡単にできる」と反響。写真展の掲示板に取りつけられた、抗議・激励先のメールアドレス・ファクス番号のリストが持ち帰られていきます。
深沢さんは日本の小児科医の反戦の意思をIPPNW(核戦争防止国際医師会議)を通じて世界に発信しました。開戦が迫るなか、「イラク戦争を支持する日本政府の態度を変える運動を強めたい」と力を込めます。