2003年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ20日小泉大介】米英軍は二十日午前五時半(日本時間同十一時半)すぎ、イラクの首都バグダッドへの爆撃を行い、戦争を開始しました。ブッシュ米大統領はこの直後、ホワイトハウスからテレビ演説して開戦を宣言、戦争が長期化する可能性があると述べました。
報道によると、ペルシャ湾と紅海に展開中の米艦船四隻と潜水艦二隻から発射されたトマホーク巡航ミサイル数十発のほか、F117ステルス戦闘機から発射された精密誘導爆弾によって、バグダッドの軍事施設、フセイン大統領宮殿をはじめとする政府施設が標的となったもようです。イラク側は対空砲火で反撃、バグダッド市内では空襲警報が鳴り響きました。
イラクのアルサハフ情報相は会見で、市民一人が死亡、数人が負傷したと発表しました。
一方、クウェートでは、イラクのスカッド・ミサイル数発が撃ち込まれたとされます。これにたいし、アルサハフ情報相は「スカッド・ミサイルは持っていない」と反論しています。
イラクのフセイン大統領は爆撃開始後、国営テレビで「不正義はイラク国民の勇気と強さによって打ち砕かれるだろう」と抗戦を表明しました。
米国のイラク攻撃に対し各国政府から二十日、「歴史の汚点」「危険な先例」と非難、反戦と停戦を求める声が次々とあがり、抗議集会・デモが各地で実施されました。
中国の外務省報道官、マレーシアのアブドラ首相代行、インドネシアのメガワティ大統領、インド政府、パキスタン情報相、ロシアのプーチン大統領、イラン外相、トルコ大統領などが米政権の攻撃を批判。欧州では、仏独両政府のほか、ベルギー、スウェーデン、欧州連合(EU)議長国のギリシャなどが批判、非難を集中させました。
抗議行動はニューデリー、モスクワ、ローマ、ミラノ、ベルリン、パリなど急速に広がっています。