2003年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
イラク攻撃後の日本政府の対応を示した小泉純一郎首相の報告に対する各党の緊急質問が、二十日午後九時半から衆院本会議で行われ、日本共産党の志位和夫委員長が小泉首相の姿勢をただしました。午後十一時半すぎに参院本会議も開かれ、市田忠義書記局長が二十一日未明に質問に立ちました。
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志位氏は、首相が「武力行使の根拠になりうる」とする国連安保理決議六七八、六八七、一四四一のいずれも戦争を正当化する法的根拠になりえないと論証。米英が執拗(しつよう)に国連安保理に新決議採択を迫ったのもそのためだとして、「この戦争が、いったいどのような国際法上の根拠にもとづいているのか」と追及しました。
さらに志位氏は、イラク戦争が「査察による平和解決を力ずくで断ち切るものである」と指摘。米国政府にとってこの戦争が、大量破壊兵器の廃棄が目標でなく、フセイン政権の打倒にあるとブッシュ大統領が表明しているとのべ、「このような横暴は、国連憲章できびしく禁止されている他国への主権侵害、内政干渉そのものになるのは明りょうだ」と強調しました。
また、「この戦争がもたらす罪なき人々の犠牲ははかりしれない」と告発。ユニセフ(国連児童基金)のベラミー事務局長が、イラクでは四人に一人の子どもが栄養失調、八人に一人の子どもが五歳までに死亡すると指摘し、「戦争は、子どもたちに最も大きな犠牲をしいる」と訴えていることへの認識をただし、イラク戦争の即時中止、日本政府が恥ずべき戦争支持の態度をただちにあらためるよう強く要求しました。
川口順子外相は、二十日の参院外交防衛委員会で、イラク攻撃はフセイン政権転覆が目的ではないかとの質問にたいし、「目的は武装解除だが、現実的には(イラク政権に)つながる話で、結果的にはそのようになってきている」と答弁、政権転覆が目的だと事実上認めました。日本共産党の小泉親司議員の質問にこたえたものです。
外相はまた「フセインがいなくなることは武装解除のため現実的な手段」とのべ、政権転覆について「(九〇年の武力行使容認決議)六七八は必要なあらゆる措置を与えている」とのべました。